鈴木郁洋

鈴木 郁洋（すずき ふみひろ）

1975年5月23日生まれ、福島県西白河郡西郷村出身の元プロ野球選手。ポジションは捕手であり、またコーチとしても活躍している。

経歴

プロ入り前

鈴木は仙台育英高校で野球を始めた。1992年の第64回選抜高等学校野球大会では遊撃手として出場し、その後の第74回全国高等学校野球選手権大会では捕手を務めた。高校卒業後は東北福祉大学に進学し、大学においては4年時に主将を務め、春秋のベストナインに選ばれるなど輝かしい成績を残した。また、大学選手権ではベスト8に進出し、その俊足を活かして盗塁王にも輝いた。1997年度ドラフトで中日ドラゴンズから4位指名を受け、プロ入りを果たした。

中日時代

中日ドラゴンズでは「ポスト中村武志」として期待を背負って入団。2000年にはシドニーオリンピックの野球日本代表にも選ばれ、古田敦也の代役としてマスクを被る重要な役割を果たした。しかし、2001年には試合中に三重殺を招く走塁ミスを犯し、以降の出場機会が減少。2002年には谷繁元信の加入により出場機会が激減し、オフに金銭トレードで大阪近鉄バファローズに移籍。

近鉄時代

近鉄では、2003年の開幕戦で3年ぶりに本塁打を放つも、その後正捕手争いで的山哲也や藤井彰人に敗れ、出場試合数は限られた。2004年はプロ入り後初の一軍未出場に終わり、オフにはオリックス・バファローズに移籍することになる。

オリックス時代

オリックスでは2005年に中日との交流戦でチームに勝利をもたらし、主力選手として活躍する。2006年から2007年は二軍での生活が多かったが、2008年には監督代行の大石大二郎の下、代走としても起用されることが増え、1309試合目となるシーズンを迎えた。数々のスタメン出場を果たし、2010年には自身7年ぶりの本塁打を打つなど、チームに貢献する。

2011年には自己最多の89試合に出場し、特に7月のソフトバンク戦ではサヨナラ打を放って話題になった。しかし、9月20日に練習中に顔面を負傷しながらも、シーズンを戦い続けた。2012年には一軍昇格後、出場機会が少なくとも、オフには二軍バッテリーコーチ就任が発表され、現役引退を前提にキャリアの新たなスタートを切る。

現役引退後

引退後はオリックスの二軍バッテリーコーチを務め、2015年からは一軍に昇格。その後、育成コーチを経て、2020年には韓国KBOリーグのKTウィズと契約し、2024年にはSSGランダースのコーチに就任することが発表された。

選手としての特徴

鈴木は外角低めを中心に投手をリードする捕手であり、俊足を活かした代走起用も見られた。捕手としての守備力に加えて、攻撃面でも指導者として今後の成長が期待されている。彼は捕手としての知識と経験を武器に、若手選手の指導に力を注いでいる。

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