鉄砲博三郎

鉄砲博三郎について

鉄砲博三郎（本名：鉄砲博、1929年7月12日 – 2020年5月26日）は、日本の伝統的な民謡である河内音頭の音頭取り（うたどり）として広く知られています。その独特の歌声とパフォーマンススタイルで、多くのファンに支持されてきました。彼の妻は太鼓を叩く鉄砲歌秀であり、家族全体が音楽の道で結びついていました。鉄砲博三郎の親類には、同じく河内音頭の音頭取りとして知られる鉄砲光三郎や鉄砲敏三郎がいます。

来歴

大阪府大阪市平野区で生まれ育った鉄砲博三郎は、6歳の頃から光三郎と敏三郎と共に初音家の稽古場に足を運び、河内音頭の基礎を学び始めました。昭和30年代末には光三郎が『鉄砲節』のヒットにより人気を博していたことから、自身も吉本興業の劇場に登場するようになります。彼の人気は光三郎には及ばなかったものの、吉本内では数少ない音頭取りとして重宝される存在でした。

音頭ショウをまとめたこともあり、1970年の終わり頃まで劇場での出演を続けましたが、しばらくして音頭櫓の世界に戻ります。2010年までの間も、河内音頭の櫓を中心に活動を続けました。そして2012年には、ミソラレコードが主催したイベントに出演し、新たなファン層に向けてその存在感を示しました。2013年には、同レコード会社から「音頭師/鉄砲博三郎」というCDがリリースされ、1960年代に東芝から出されたレコード以来、約40年ぶりの新作となりました。

残念ながら、鉄砲博三郎は2020年5月26日に老衰のためにこの世を去りましたが、彼の音楽とパフォーマンスは多くの人々の記憶に刻まれています。

舞台出演

晩年には多くの舞台で活動し、特に注目を集めたのは2012年3月31日に浅草木馬亭で開催された「てなもんやローオンバラエティ」です。このイベントでは、彼がスペシャルゲストとして出演し、桜川唯丸や暁照夫と共演しました。また、2013年には「音頭三昧 ONDO EXODUS! 2013 鉄砲博三郎CD発売記念コンサート」においてもその歌声を披露しています。

ディスコグラフィー

彼の音楽活動の歴史の中で、1960年代には「鉄砲博三郎の河内音頭」というソノシートが東芝レコードからリリースされています。また、2013年のミソラレコードからは「音頭師/ONDOSTAR」が新たに登場しました。このように、彼は長きにわたって音頭の魅力を世に送り出してきました。

弟子

鉄砲博三郎は、後進の指導にも力を入れており、弟子には鉄砲菊春、そして生駒家の一族（生駒一、生駒家一夫）などが名を連ねています。これにより、彼の教えは現在も受け継がれ、河内音頭の伝統が今なお脈々と続いているのです。

関連人物・参考資料

鉄砲博三郎に関連する人物としては、光三郎、敏三郎をはじめ、桜川唯丸、三音英次、澤田隆治などが挙げられます。彼の業績について詳しく知りたい方は、「現代上方演芸人名鑑」（少年社、1980年）を参考にしてみてください。

もう一度検索