鉄腕アトム (アニメ第2作)

鉄腕アトム (アニメ第2作)

『鉄腕アトム (アニメ第2作)』は、手塚治虫の名作マンガを原作としたアニメシリーズのリメイクであり、1980年10月から1981年12月まで日本テレビ系列で放送されました。全52話を数える本作は、カラー版としては唯一のアニメ化作品であり、初版モノクロ版（1963年）のリメイクとして位置づけられています。

企画の背景

リメイクの企画は、原作者の手塚治虫が1963年の初版に対する不満から始まりました。初代のアニメは国外での放映がほとんどなかったため、手塚は新たにアトムの誕生からリメイクを行うことを決意しました。この動きが具体的になったのは1974年ですが、全体的な制作には多くの困難が伴いました。

特に、初版のスポンサーだった明治製菓が続編の制作に対する権利を保持していたため、他社がスポンサーになりにくく、企画が進まない要因となりました。日本テレビの24時間テレビでの手塚作品の放映の人気が、製作を促進する一因となり、ついにはこの新たなシリーズが実現しました。

制作と内容

本作では手塚治虫自身も脚本や演出といった主要な役割で参加し、従来の設定を踏襲しつつ新たにアクション要素を強化しました。「心を持つロボット」というテーマは踏襲され、特にアトムとアトラスの対決の中で深く掘り下げられています。初回の設定年代は2030年に変更され、原作のアトム誕生年である2003年や、初代アニメの2013年からも外れました。

声優陣に関しても、当初の慣例に従うところがあったものの、手塚の意向で一部のキャストが前作から引き続き起用されています。特にアトム役の清水マリとお茶の水博士役の勝田久は、前作から続投し、ファンにとっても馴染みのある声が再び登場しました。

放送と受け入れ

本作はプロ野球シーズン中の日本テレビでの放送という特性上、途中での休止があったにもかかわらずか、52話完結に向けての討議が進められました。最終回には、手塚本人のメッセージが入り、視聴者には感慨深く捉えられました。

登場人物としてはアトム、天馬博士、お茶の水博士、アトラスなどが中心的な役割を果たしており、それぞれの背景や思いが丁寧に描かれています。特に、アトラスとの関係性やアトムが対峙する数々の悪党たちとの戦いは、視聴者に深い印象を与えました。

主題歌と映像メディア

オープニングテーマは従来の曲のアレンジ版が使用され、視聴者からは懐かしさが評価される一方、当初の案では不評だったための変更劇もありました。後に、この作品はブルーレイやDVDとしても発売され、多くのファンに視聴されています。さらに、YouTubeなどでは期間限定で配信も行われており、新たな世代の視聴者にも親しまれています。

『鉄腕アトム (アニメ第2作)』は、その物語の奥深さ、テーマの重厚さ、そして手塚治虫自身の関与が、今なお多くのファンに称賛される理由となっているのです。

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