鉄道企業体スロバキア671系電車

スロバキア671系電車の概要

スロバキア671系電車（Elektrická jednotka 671）は、スロバキアの鉄道企業体スロバキア（Železničná spoločnosť Slovensko; ZSSK）が2011年から2015年の間に運用を開始した地域輸送用の交直流2階建て電車です。この車両は、チェコスロバキア国鉄から受け継がれた近郊用の460系直流電車と560系交流電車の置き換えを目的として導入されました。

車両の導入背景

2008年には、ZSSKのジリナ地域管理区向けに3連10編成の公開入札が行われ、その結果、シュコダ車両株式会社が受注しました。671系電車の運行開始日は、2010年12月12日で、スロバキアとポーランドの伝説的な義賊にちなんで「ヤーノシーク」という愛称が付けられました。これにより、ノヴェーザームキ地域管理区やコシツェ地域管理区においても671系電車の運用が拡大し、560系電車は2015年までに全廃されています。

車両仕様

スロバキア671系電車は、シュコダ車両が製造したチェコ鉄道471系電車をベースにしており、車体は軽量のアルミニウム製です。制御方式にはIGBTによるトラクションインバーターが採用され、直流3000Vおよび交流2万5000V（50Hz）に対応しています。最高速度は160km/hに設定されています。また、編成は671形二等電動客車（EPV）、071形二等付随客車（PVV）、971形二等制御客車（PRV）の3両がひとつの固定編成になっており、すべての車両が二等車です。

客室には安全監視用のカメラが設置されており、671形と971形には車椅子用のスロープも備えています。これにより、バリアフリーにも配慮された設計がされています。

運用状況

2020年と2021年のダイヤにおいて、ジリナ地域管理区の660・661系交直流電車の新製配置に遅れが生じたため、671系電車はその不足分を補うかたちで運用されることとなりました。特に、コシツェ地域管理区に属する全2編成が2020年にジリナ地域管理区へ転配されています。

ジリナ地域管理区

ジリナ地域管理区では、671系電車は以下の路線で運行されています。

• - ジリナ - トレンチーン間
• - ジリナ - リプトウスキーミクラーシュ - ポプラト＝タトリ間
• - ジリナ - チャッツァ - （スカリテー - ズヴァールドン）

（注：括弧内はポーランド国内の路線）

配置編成はEPJ671.001から671.010の10編成です。

ノヴェーザームキ地域管理区

ノヴェーザームキ地域管理区では、671系電車が以下の路線で利用されています。

• - ブラチスラヴァ - ノヴェーザームキ間（ほぼすべての旅客列車）
• - ノヴェーザームキ - シュトゥーロヴォ間（全旅客列車）
• - トルナヴァ - セレジュ - ガランタ間（週末・祝休日の旅客列車）

配置編成はEPJ671.011から671.019の9編成があり、様々な路線に効果的に対応しています。

まとめ

スロバキア671系電車は、地域の公共交通機関において重要な役割を果たしており、利便性と安全性を実現した先進的な電車として、多くの利用者に愛されています。これからも、スロバキア国内での運用が期待されています。

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