鉄道橋

鉄道橋についての詳細

鉄道橋は主に鉄道の通行のために設計された橋梁のことを指します。このような橋は「鉄橋」とも呼ばれる場合がありますが、鉄橋には鉄製の橋全般を意味する用途も存在します。最近の技術進歩により、多くの鉄道橋はプレストレスト・コンクリートで作られており、「鉄橋」という表現はあまり使われなくなってきています。

鉄道橋に求められる特性

鉄道橋は道路橋とは異なる特性が求められます。主に、以下のような性能が重要です。
1. 高い断面性能（強度）
鉄道の列車荷重は道路交通に比べて非常に重いため、鉄道橋は桁高を大きくするか、部材の厚さを増す必要があります。
2. 低い構造高
鉄道橋は、地形や周囲の構造物との関係から、下空間を十分に確保する必要があります。特に河川を渡る場合には計画高水位を考慮しなければならず、急激な勾配の変化は避けるため、構造高はできるだけ低く抑えることが大切です。
3. 高い剛性
鉄道は路面の高さに対する精度が求められるため、橋梁はたわみを最小限に抑えなければなりません。以前は鉄道橋の曲線構造が作りにくかったため、河川に対しては直線的に設計され、周囲の線路がカーブする形で構築されることが一般的でした。そのため、古い路線では不自然なカーブが見られることがあります。

鉄道橋の種類

鉄道橋は用途によってさまざまな呼称があります。ここでは一般的に用いられる名称を紹介します。

• - 橋りょう (B): 河川や海を渡る橋で、正式文書では「りょう」と記述されます。略称のBは「Bridge」を意味します。
• - 高架橋 (Bl): 必要に応じて鉄道を地平より高くするための橋です。
• - 架道橋 (Bv): 鉄道が道路を渡る際に使われる橋で、高架鉄道に見られます。また、逆に道路が鉄道を渡る場合は跨線橋（Bo）と呼ばれます。
• - 線路橋 (Bi): 他の鉄道を渡るための橋です。
• - 鉄道道路併用橋: 鉄道と自動車の両方が通れる橋です。

鉄道橋はまた、構造の有無によっても分けられます。

• - 無道床橋梁: 桁の上に床版がなく、レールのみがあれば良い構造です。そのため、軽量化が促進されますが、音や振動が大きいという欠点があります。
• - 有道床橋梁: 道床や床版を設けているため、負荷の分散が可能であり、振動の影響も軽減されます。

現役の鉄道橋の例

国内で最古の現役鉄道橋は、山形県のJR左沢線最上川橋梁です。この橋は1921年に完成し、もともとは1887年に建設されたものを移築したものです。

このように、鉄道橋はその特性から特別な設計や構造が求められ、多様な用途や名称を持ちます。鉄道の安全で快適な運行のための重要なインフラとして、今後もその役割を果たしていくことでしょう。

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