鉱山祭

鉱山祭

鉱山祭は、新潟県佐渡市相川地区で毎年7月に行われる伝統的な祭りです。佐渡相川金銀山の総鎮守である大山祇神社の祭礼として、地域住民や観光客に親しまれています。現在、7月後半の土日に行われています。

歴史

江戸時代には、大山祇神社で月次の神事が行われ、佐渡奉行所の役人や佐渡金山の山師などが列席していました。境内には能舞台があり、能も開催されるなど、重要な神事として位置づけられていました。

明治維新後、一時途絶えていた鉱山祭は、明治20年に鉱山局長として赴任した大島高任によって復活されました。ドイツのフライベルグ鉱山に習い、灯籠や山車を作って賑やかな祭礼を行ったと伝えられています。また、江戸時代に佐渡金銀山の穿子が唄った「やわらぎ（別名：蓬莱）」の神事芸能もこの時に復活し、現在も奉納されています。

明治27年からは7月13〜15日の日程で開催されていましたが、梅雨の時期と重なることが多かったため、昭和37年に7月25〜27日に変更されました。さらに、平成19年には7月後半の土日に変更され、現在に至ります。

平成12年から平成14年までの間、「金山祭」と名称が変更されましたが、地元からの異論が相次ぎ、平成15年に「鉱山祭」に戻されました。

佐渡の夏祭りの中では最も早く花火が上がることで知られています。両津の川開き祭り、小木の小木港祭りと共に佐渡の三大夏祭りと称され、多くの人々で賑わいます。

鉱山祭の催し物

やわらぎ神事

「やわらぎ」は、佐渡金銀山で働く穿子たちが唄った唄で、「蓬莱」「金堀唄」とも呼ばれています。親方1名と子方数名により行われ、親方は、かますで作った烏帽子や裃を着て、鼻切面をつけます。裃には三菱の紋、袴の部分には鉱山の神の使いとされるムカデの絵が描かれています。子方はザルを被り、同じく鼻切面をつけ、樽の拍子に合わせて親方が唄い、子方がそれに合わせて唄います。

明治時代に大島高任により鉱山祭が復興されて以後、やわらぎは鉱山正門事務所前で行われるようになりました。昭和十年代に戦争により途絶えていましたが、昭和50年に鉱山や町が復活に乗り出し、かつて鉱山で勤務していた人を招いて復活され、高任神社において奉納されました。

現在では、大山祇神社において、鉱山祭初日の午前中の神事式の後に奉納されています。（株）ゴールデン佐渡の社員や佐渡市立相川小学校の児童生徒が演じることもあります。

恩賜金記念式典

佐渡鉱山は維新後皇室の財産となっていましたが、明治29年11月から三菱財合資会社に払い下げられ、宮内省から7万円の下賜金が交付されました。鉱山祭初日の午前中には、この恩賜金を記念した式典が行われています。

子どもみこし・鼓笛隊パレード

鉱山祭初日には、相川保育園・幼稚園の園児による子どもみこしがあります。また、相川小学校の生徒による鼓笛隊パレードも行われ、祭りを盛り上げます。

おけさ流し

地域団体や職場、同好会などのグループが佐渡おけさを唄いながら町を練り歩く「おけさ流し」も行われます。花笠、浴衣にお腰をつけ、襷をかけて、紙で作った花をつけた番傘を持ち、三味線・笛・太鼓の鳴り物に合わせて佐渡おけさを唄い流します。

花火大会

最終日の夜には、相川の南にある春日崎から花火が打ち上げられます。かつては台船を用いて相川湾上から花火を打ち上げていました。

鉱山祭は、佐渡の歴史と文化を色濃く残す、魅力的な祭りです。

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