銀山まち回廊

銀山まち回廊について

兵庫県朝来市の生野町口銀谷には、銀山まち回廊と呼ばれる魅力的な景観形成地区があります。この場所は、歴史的な鉱山町として発展してきた経緯があり、2014年に「生野鉱山及び鉱山町の文化的景観」として国の重要文化的景観に認定されました。

口銀谷の歴史

口銀谷は、生野町の西部に位置し、但馬街道の重要な地点としても知られています。生野銀山の主要な鉱山町として繁栄したこの地域は、1600年には幕府の支配下に入り、生野代官所が設立されました。さらに、南北には播磨口番所と但馬口番所が配置され、交通の要所となりました。

1730年には、銀山宗門改帳に基づき戸数185戸、人口1215人を誇る町でした。この地域は、1738年に発生した銀山一揆の際、姫路藩や出石藩から派遣された鎮圧部隊によって寺院が旅宿として利用されるなど、歴史的な背景を持っています。

また、1841年には生野代官が儒者を招き、学問所である尊性堂を開校しました。この学校は、その後の1868年に明徳館と改名され、生野学問所として知られるようになります。こうした歴史を持つ口銀谷は、近代以前の独特な建築物も数多く保存されており、1998年には兵庫県の景観形成地区に指定されています。さらに、2017年には「銀の馬車道 鉱石の道」として日本遺産に認定されました。

現存する建造物

銀山まち回廊では、近世および近代の町家、西洋館、鉱滓を用いた塀や水路、さらには市川沿いに残るトロッコ軌道跡など多くの歴史的建物を楽しむことができます。これらの建物は、地域の豊かな文化を物語っています。

名所と観光スポット

銀山まち回廊には多くの名所や歴史的な寺院があります。その中でも特に注目を集めるのは、姫宮神社や金蔵寺、教徳寺、西福寺、来迎寺などの寺院です。金蔵寺の梵鐘は但馬地方で最も古い銅鐘として文化財に指定されており、観光客にとって魅力的なスポットです。また、生野代官所跡には生野義挙碑が建てられ、この地の歴史を振り返る良い機会を提供しています。

近現代の史跡

生野まち回廊には、近現代の史跡も点在しています。天保3年に完成した生野まちづくり工房井筒屋や、1876年に建造された旧生野鉱山職員宿舎は、歴史的にも貴重な建物です。また、旧生野警察署や生野書院（生野史料館）も注目されています。これらの建物は、いずれも地域文化の重要な一部として大切に保存されています。

アクセスと施設

銀山まち回廊は、JR播但線の生野駅から徒歩でアクセス可能です。周辺には但陽信用金庫会館や生野マインホールなどの公共施設も存在します。また、但馬口通りや寺町通りなどの通りを歩きながら、この地域の歴史を感じることができるでしょう。

このように、銀山まち回廊は歴史的な背景を持つ美しい景観と豊かな文化を体験できる場所です。訪れる人々は、過去の遺産と共に、地域の魅力を感じることができるでしょう。

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