銀色のシーズン

『銀色のシーズン』：雪山を舞台にした人間模様

『銀色のシーズン』は、2008年1月12日に公開された日本の映画です。雪山を舞台に、様々な人々が織りなす群像劇として、観客を魅了しました。監督を務めたのは、『海猿』シリーズで知られる羽住英一郎です。

企画の背景

本作の企画は、『海猿』の撮影が行われていた2003年の夏に始まりました。当初はスキーを題材にした映画というアイデアでしたが、羽住監督はスキーに詳しくなかったため、一度は断っています。しかし、プロデューサーの堀部徹がカナダのウィスラー スキー場で目にした「No guts, No glory. Go for it!（根性なしに栄光なし、行ってみろ!）」という言葉に感銘を受け、本作のテーマを見出したことが、撮影開始のきっかけとなりました。

ストーリーと登場人物

物語の中心となるのは、「雪山の何でも屋」を名乗る城山銀（瑛太）、小鳩祐治（玉山鉄二）、神沼次郎（青木崇高）の3人組と、結婚を控えた綾瀬七海（田中麗奈）です。彼らを中心に、雪山で生きる人々の人間模様が描かれます。その他、北原エリカ役の佐藤江梨子、伊川一彦役の田中要次、三波豊役の水橋研二など、個性豊かなキャストが物語を彩ります。

制作スタッフ

監督：羽住英一郎
脚本：坂東賢治
音楽：佐藤直紀
スキートータルアドバイザー：岩渕隆二
撮影監督：藤石修
撮影：西村博光、清久素延
照明：磯野雅宏
録音：柳屋文彦
美術：相馬直樹
装飾：寺尾淳
編集：松尾浩
監督補：七高剛
音響効果：柴崎憲治
VFXスーパーバイザー：石井教雄

その他にも、多くのスタッフが作品を支えています。スキーテクニカルアドバイザーには、平本宗一郎、佐藤亜希子、片山恵が参加。モーグルバーンコーディネートには、蟹沢正美、今野越奈、山崎友貴、小林淳一が名を連ねています。

撮影の困難と舞台裏

撮影は、長野県北安曇郡白馬村を中心に、2006年12月から翌年4月6日にかけて行われました。しかし、記録的な雪不足に見舞われ、真冬にもかかわらず豪雨が降るほどの温暖な気候に苦しめられました。雪で作った式場が溶けてしまうなど、撮影よりも雪集めに苦労したそうです。最終的には、白馬での撮影を断念し、ニセコに移動して残りのスキーシーンを撮影することになりました。作中でも、白馬の街のシーンには雪がほとんどなく、スキー場のシーンもコース外に雪がない部分が目立つなど、当時の状況がうかがえます。

事故と安全対策

撮影中には、映画用のやぐらを固定するワイヤーにスキー客が引っかかり落下する事故が発生しました。この事故により、一時的に撮影が中断される事態となりました。この事故は、安全管理の重要性を改めて認識させるものとなりました。

音楽と主題歌

本作の主題歌は、コブクロの「WHITE DAYS」です。この曲は、映画の感動的なシーンをさらに盛り上げ、観客の心に深く響きました。

その他のエピソード

映画公開中には、撮影の舞台となったスキー場でパネルや写真の展示が行われました。
また、Wiiのゲーム『ファミリースキー』には、銀と七海が登場しています。
映画内のモーグル競技シーンでは、銀は黒一色のズボンを着用していますが、実際の競技では膝部分に切り返しの入った専用ウェアを着用することが一般的です。しかし、上村愛子選手のように、着用しない選手もいます。

作品の評価

『銀色のシーズン』は、雪山を舞台にした群像劇として、多くの観客に感動を与えました。困難な撮影環境を乗り越え、完成した本作は、映画史に残る作品の一つと言えるでしょう。

外部リンク

銀色のシーズン - allcinema
銀色のシーズン - KINENOTE

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