銀装

株式会社銀装：カステラの進化を牽引する企業

株式会社銀装は、大阪府大阪市中央区に本店を置く菓子メーカーです。心斎橋筋商店街に位置する本店を中心に、カステラをはじめとした焼き菓子の製造販売を展開しています。創業は1952年。文明堂からの暖簾分けを起源とし、当初は「大阪文明堂」を名乗っていましたが、後に「銀装」へと商号変更されました。

カステラ革命：長期保存とスライスパック化

昭和30年代半ばまでは、カステラは日持ちの短い高級菓子であり、庶民の日常的な食べ物ではありませんでした。しかし、銀装は1961年、画期的な「紙の缶詰」というカステラの長期保存技術の特許を取得。これにより賞味期限が大幅に延び、コスト削減にも成功しました。この技術革新によって、カステラは庶民にとって身近な存在へと変貌を遂げます。この「紙の缶詰」技術と同時に登録された商標「銀装」は、現在も会社の名称として受け継がれています。

さらに、銀装はカステラ業界で初めてスライスパック化を実現しました。従来は固まりで販売されていたカステラをスライスして販売することで、より手軽に楽しめるお菓子として、消費者の手に届きやすくなりました。

長崎カステラとは一線を画す、独自の製法

長崎カステラの老舗からの暖簾分けという歴史を持ちながらも、銀装のカステラは独自の製法で生み出されています。長崎カステラとは異なり、「あっさりとした」、「ふんわりとした」、「キメ細やかな」食感が特徴で、関西を中心に高い支持を得ています。

多彩なラインナップ

銀装のカステラは、プレーン、黒糖、抹茶、五三焼といった定番に加え、季節限定フレーバーも魅力です。柚子、チョコレート、桜、甘夏、栗、黒豆など、季節感を味わえるカステラが、一年を通して楽しめ、消費者を飽きさせません。また、本店や工場直売店では、焼き立ての「窯出しカステラ」も販売されています。これは、銀装でしか味わえない特別な逸品です。

企業の成長と事業展開

1952年の創業以来、銀装は着実に事業を拡大してきました。1953年には羽衣工場（大阪府高石市）を開設。その後、名古屋営業所（1968年）、東京支店（1969年）を設立し、事業エリアを拡大しました。東京支店と名古屋営業所は後に独立し、株式会社東京銀装と株式会社名古屋銀装として発展しましたが、2005年と2009年にはそれぞれ銀装に合併されています。

現在、銀装は本社（大阪市中央区）、羽衣工場、藤沢工場（神奈川県藤沢市）の3拠点で事業を展開。直営店や百貨店（髙島屋、近鉄百貨店、京阪百貨店、阪神百貨店、阪急百貨店、天満屋など）、スーパーマーケットなど、幅広い販売チャネルを通じて製品を販売しています。代表的な商品として、「カステ21（青箱）」、「カステ11（赤箱）」、「抹茶カステラ」などは、大阪産（もん）名品認証商品にも認定されています。

まとめ

株式会社銀装は、カステラの技術革新と独自の製法で、カステラというお菓子の可能性を大きく広げました。これからも、変わらぬ品質と新たな挑戦で、多くの人々に「カステラ」の美味しさを届けていくことでしょう。

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