銅将

銅将（どうしょう）について

銅将は、日本の伝統的な将棋の駒の一つであり、主に平安大将棋や中将棋、大将棋などの特定の将棋形式に見られる駒です。本将棋には存在しないため、古代の将棋に特有の特徴を持っています。

銅将の基本特徴

銅将は、その動きや特性が平安大将棋の駒である嗔猪と非常に似ています。この類似性により、銅将は嗔猪と同じく成ることで金将になります。金将は、将棋において非常に重要な駒であり、前方や左右に進むことができるため、戦術的な役割が強く求められるのです。

銅将が存在する将棋形式

銅将は以下の将棋形式に存在します。

平安大将棋

平安大将棋では、銅将が嗔猪と同じ特性を持ち、成ると必ず金将になります。

中将棋

中将棋においては、銅将は略して「銅」と表記されることがあります。また、成ると横行する特性があり、周囲の駒との配置によって戦術の幅が広がります。

大将棋・天竺大将棋・大局将棋

これらの将棋形式でも銅将は独自の動きを持っており、戦略の一部を形成しています。駒の組み合わせや相手の動きによって、その機能が変わるため、プレイヤーにとっては非常に興味深い要素となります。

大大将棋

大大将棋においては、銅将は成ることができないため、その特性は他の将棋形式とは異なります。

摩訶大大将棋・泰将棋

これらの形式において、銅将が成った場合には奔銅という駒になります。奔銅は白駒で大局将棋の雜将と同じ動きを持ち、特にその機動力を活かした戦術が評価されることがあります。

銅将の戦略的用法

銅将はそのユニークな特性から、特定の状況においてプレイヤーが考えることができる戦略の一部を形成しています。その動きの特徴を利用することで、相手の攻撃をかわしたり、自身の駒を効率的に配置することが可能です。

まとめ

銅将は、特に平安大将棋や中将棋、大将棋などにおいて重要な役割を果たす駒であり、その存在は古代の将棋における文化的な側面をも反映しています。駒が成ることで金将や奔銅となる特性が、ゲームの戦略に大きな影響を与えます。そのため、銅将は将棋の歴史や変遷を理解する上でも欠かせない存在なのです。特定の将棋における銅将の用法を理解することは、将棋プレイヤーにとって非常に意義深いことでしょう。

参考文献

• - 梅林勲・岡野伸共著『改訂版 世界の将棋・古代から現代まで』（将棋天国社、2000年）

もう一度検索