銅車馬

銅車馬の詳細

銅車馬（どうしゃば）は、中国陝西省西安市に位置する始皇帝陵から発掘された銅製の遺物であり、秦の始皇帝が実際に使った車輌の縮小版だと考えられています。この遺物は、現在、兵馬俑博物館に所蔵され、訪れる人々にその歴史的価値を伝えています。

出土の経緯

1980年10月3日、考古学者の程学華が指揮するチームが始皇帝陵の墳丘から約20メートルの地下、7メートルの深さで金や銀の塊、金糸のふさを発見しました。この成果を受けて、続く11月3日には、2台の銅車、8頭の銅馬、さらに2体の御者が、地下7.8メートルの地点で出土しました。出土した銅車馬は、長い年月の間に壊れたり変形した状態にありましたが、半年間の修復作業を経て、1981年10月1日に1号銅車馬が一般に初公開されました。そして、1987年5月には2号銅車馬も公開されました。

銅車馬の構造

銅車馬は、4頭立ての二輪馬車で、実物の半分の大きさで製作されています。1号銅車馬は「立車」と呼ばれ、右側には盾や鞭、前方には弩と矢が装備されています。また、車上には1本の傘が立てられ、その下には高さ91センチの銅製の御者が手綱を引いて立っています。傘には夔龍文または夔鳳文と呼ばれる装飾が施されており、豪華さを引き立てています。

2号銅車馬は「安車」または「轀輬車」と知られ、正座した御者が手綱を引いています。この車はドーム型の屋根を持ち、周囲の壁には変形した龍と鳳、巻雲模様、または雲気模様が描かれており、その装飾も非常に見事です。

歴史的意義

銅車馬は、当時の技術や文化を知る上で非常に重要な資料とされています。秦朝の始皇帝の権力を象徴するものであり、戦争や交通手段としての馬車を表現しています。また、それらの装飾や造形は、当時の美術工芸の水準の一端を示しており、考古学者たちによって深く研究されています。

このように、銅車馬は単なる遺物にとどまらず、秦の時代を語る重要な鍵となる存在です。今後もさらなる研究が進むことにより、その背景や意味が明らかになることが期待されます。

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