銕橋

銕橋（くろがねばし）は、長崎市を流れる中島川に架かる橋で、国道324号線の一部を担っています。「てつばし」という愛称で市民に親しまれており、長崎市の中心的な繁華街である浜町アーケードの西側入り口に位置し、浜町と築町を結ぶ重要な役割を果たしています。

現在の橋は1990年に架け替えられた3代目で、欄干には「鉄橋」の銘が刻まれています。この橋は、長崎の歴史と文化を今に伝えるランドマークとして、多くの人々に利用されています。

歴史

銕橋の歴史は古く、その始まりは日本初の鉄橋とされる初代の橋に遡ります。

初代 銕橋

1868年（慶応4年）に架けられた初代の銕橋は、日本初の鉄橋として知られています。それ以前には、「大橋」や「第十五橋」と呼ばれた木造橋が架けられていましたが、水害により何度も破損・流失していました。

1867年（慶応3年）の豪雨で橋が大きく損壊したことを受け、地元の有志たちの協力のもと、長崎製鉄所の鉄を用いて頑丈な鉄橋として再建されることになりました。設計はオランダ人技師のF.L.M.ホーゲルが担当し、工事は長崎製鉄所頭取の本木昌造が指揮を執り、総工費1万6千両をかけて建設されました。

慶応4年8月1日（明治元年9月8日）に完成した橋は、全長約22メートル、幅員約6メートルの1径間の錬鉄製桁橋でした。橋面は板張りで、通行人の下駄の音がよく響いたと伝えられています。完成後、銕橋は長崎市の新たな名所となり、夏には涼を求めて多くの市民が訪れる場所となりました。

しかし、初代の橋は1931年（昭和6年）に鉄筋コンクリート製の2代目の橋に架け替えられました。

3代目 銕橋

1990年（平成2年）に架け替えられた現在の橋は、歩行者専用橋となっています（構造的には車両の乗り入れも可能ですが、許可申請が必要です）。2代目と同様に鉄筋コンクリート製ですが、名前は初代の「鉄橋」から引き継がれています。橋のそばには初代の橋にあった石柱が残されており、橋の中央にはエミリオ・グレコ作の『水浴の女』の像が設置されています。

橋の西側には、長崎バスや県営バスの主要路線の経由地および始発着地である中央橋バス停や築町商店街があり、東側には長崎電気軌道の西浜町（アーケード前）電停や浜町アーケードがあります。このように、銕橋は交通の要所としての役割も担っており、周辺は常に多くの人々で賑わっています。また、長崎駅前と並んで、各種団体の街頭活動や路上アーティストの表現の場としても利用されており、国政選挙の際には党首クラスが街頭演説を行うこともあります。

さらに、銕橋は長崎ランタンフェスティバルの会場の一つでもあり、祭りの期間中は巨大なオブジェやランタンで彩られ、幻想的な雰囲気に包まれます。

周辺施設

銕橋の周辺には、以下の施設があります。

長崎県庁
浜市商店街
* メルカつきまち



銕橋は、長崎の歴史と文化、そして現代の活気を象徴する存在として、これからも多くの人々に愛され続けるでしょう。

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