鋼鉄の虹 パンツァーメルヒェンRPG

鋼鉄の虹 パンツァーメルヒェンRPG

『鋼鉄の虹 パンツァーメルヒェンRPG』は、遊演体に所属する田中桂と坂東いるか（坂東真紅郎）といったクリエイターたちによって作られました。このゲームは、架空の近代ヨーロッパが舞台のロボット戦記をテーマにしたテーブルトークRPG（TRPG）です。1995年にアスペクトより出版されたこの作品は、特に多彩なキャラクター作成や戦術的なプレイスタイルが特徴です。

ゲームの概要

本作の設定は、1937年の時点で第二次世界大戦直前の状況にあり、中欧の架空の小国で内乱が勃発するというものです。プレイヤーは、二足歩行の人型兵器「イェーガー」を駆使して、物語の中で展開する戦闘や作戦を進めていきます。『鋼鉄の虹』は、戦略的要素が強く、単なるRPGに留まらず、戦術級ウォー・シミュレーションゲームとしての側面も感じられます。

さらに、同時期に運営されたプレイバイメール（PBM）『ネットゲーム95 鋼鉄の虹 〜Die Eisenglorie〜』との背景世界が共有されていることも特筆すべき点でしょう。しかし、イェーガーの機種が異なるため、双方の情報を互換性を考慮しつつ合わせて利用するのは難しいことがあります。特に、登場するイェーガーの独自性やデザインの差異によって生成される混乱も懸念されます。

プレイの進行

プレイヤーは、最初にシナリオの目的を確認し、その後、キャラクターを作成します。キャラクターの能力は5つの「イェーガー技能」とその他の技能によって決定され、行動理念を反映した「主義」が取得されます。実際のプレイにおいては、6面サイコロを振って行為判定を行い、成功すれば目的を果たせます。

行動は「作戦モード」と「戦闘モード」の2つに分かれ、作戦モードで敵部隊を索敵し、遭遇した敵と戦うために戦闘モードに移行します。戦闘が終了した後、再び作戦モードに戻り、任務を進めていくという流れです。

キャラクターのモラルと功績

ゲーム内のキャラクターは「モラル」と呼ばれる指標が設けられており、戦闘を重ねるごとにその数値は変動します。モラルが低下すると不利な行動を取る可能性があり、プレイヤーはその管理に留意しなければなりません。また、シナリオをクリアすることで得られた「功績ポイント」を利用して、キャラクターの成長やモラルの回復、装備の獲得が行えます。

世界設定

物語の舞台は、ドイツやオーストリアなど多くの国に囲まれた「ケルンテン公国」と、その北部に位置する「グリューネラント共和国」です。両国に関連する歴史的背景や文化、言語も非常に詳しく設定されています。ケルンテン公国は女性の社会進出が進んでおり、また日本からの移民を多く受け入れ、独自の文化が形成されています。

一方で、グリューネラント共和国はケルンテン公国からの独立を目指す政権として、ナチス・ドイツの支援を受けているという政治的背景が描かれています。これらの国々の文化や技術も、ゲームプレイに深い影響を与えています。

まとめ

『鋼鉄の虹 パンツァーメルヒェンRPG』は、戦略的要素や詳細な設定が融合した革新的なTRPGであり、多様なプレイスタイルに対応する魅力的な作品です。架空のロボット戦記というテーマが、プレイヤーの熱い想像力を掻き立て、深く没入する体験ができること間違いなしです。

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