錠剤

錠剤（じょうざい）は、医薬品の一形態であり、圧縮成形などの製造法によって生み出される固形の製剤です。これらの製剤は、携帯性に優れており、服用時に必要な量を簡単に取り扱えることが特徴です。この文書では、医薬品としての錠剤に焦点を当て、その特徴や種類、製造方法、品質管理について詳述します。

錠剤の形状

錠剤はその形状によって、使用のしやすさや飲み込みやすさに配慮されています。一般的に、重量は100〜500mg、直径は6〜15mm程度の大きさが多く見られます。形状は円盤型、レンズ型、さらには竿型に分類されます。また、座薬や膣錠には挿入しやすさを考慮して矢尻型の特殊な形状が採用されています。素錠の中には、服用しやすいように半分に割るための割線が施されているものもあります。

錠剤には、識別のための番号や記号が刻印されています。さらに、タール色素に関連する発がん性の懸念があるため、近年では無着色の白い錠剤が増加しています。

錠剤の種類

用法による分類

• - 内服用錠剤：嚥下せずに口腔内で溶解させるバッカル錠や舌下錠があります。
• - 外用錠剤：うがいに使う溶解錠や膣用錠剤などがあります。

コーティングによる分類

• - 素錠（裸錠）：成形されたそのままの形状を持つ錠剤です。
• - コーティング錠：服用時の味や臭いを軽減するために、表面に皮膜を施したものです。腸溶錠は、胃酸で溶けない特別なコーティングが施されています。

特殊錠

• - チュアブル錠：噛み砕いて服用するタイプの錠剤です。
• - 持続性錠：一定時間にわたり有効成分を放出するように設計されています。
• - 多層錠や有核錠など、様々な特性を持つ特殊な錠剤も存在します。

錠剤の製造

錠剤の製造は、添加剤を用いることで行われます。添加剤の一例には、賦形剤（取り扱うのに適した量を加える物質）や結合剤（原料同士を結合させる物質）、崩壊剤などがあります。特に崩壊剤は、体内で効率的に有効成分を放出するために重要です。

重要な製造工程には、原材料の混合や造粒、打錠があります。打錠の際は圧力や速度が品質に大きく影響します。これらの工程は、湿式練合法から発展した打錠法によって行われます。

錠剤の包装・品質

流通を考慮し、様々な包装形態が用意されています。ガラス瓶、プラスチックフィルム包装（SP）、アルミニウム封入のPTPなどがそれにあたります。これらの包装形態は、吸湿や光から錠剤を保護するために設計されています。

品質管理においては、錠剤の重量や含量の均一性、崩壊性、機械的強度が求められます。これらの品質が確保されることにより、薬としての効果が安定して発揮されます。先発品と後発品での品質に差があるため、後発品の品質が先発品と等しいことが確認されることも求められます。

錠剤の利点と欠点

錠剤は、取り扱いや服用が容易であるため、医療現場や家庭で広く使われています。一方で、両者の服用量の調整が難しいこと、高齢者や乳幼児にとっては服用困難な場合があることが欠点として挙げられます。また、実際の効果が発現するまでに時間を要すること、そして肝臓で代謝を受けにくいというデメリットもあります。

服用時の注意

一般に、錠剤を服用する際には十分な水を含める必要があります。水の量が不十分であると、喉に張り付く危険性があり、粘膜に潰瘍が生じる可能性もあります。錠剤を砕くことは、特徴や効果を損なうため、避けるべきです。医師や薬剤師に相談し、正しい方法で服用することが重要です。特に舌下錠の場合には、誤飲すると効果を発揮できないことに注意が必要です。

多様な利点を持ちながらも、注意すべき点も多くある錠剤の特性についての理解を深めることで、安全かつ効果的な服薬が可能となります。

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