錦江作戦

錦江作戦（きんこうさくせん）

錦江作戦は、1941年3月15日から4月2日までの日中戦争の期間中に行われた、日本軍による江西省錦江周辺での軍事行動です。この戦闘の、中国側の名称は「上高会戦」として知られています。

背景

1941年2月、日中戦争が続く中で、支那派遣軍総司令部は第11軍所属の第33師団を華北に転用する計画を立てました。移動は4月上旬と予定されていましたが、安義や南昌方面にはまだ中国軍への打撃が行われていなかったため、第33師団の派遣前に、この地域にいる中国軍第19集団軍に対して攻撃を行う作戦が考案されました。

当初は短時間での作戦を計画する「短切作戦」という方針がありましたが、第34師団司令部は積極的なアプローチを取ることを決定し、上高の攻略に向けて準備を進めました。この情報はすぐに中国軍に知られ、防備を強化されるという結果を招きました。第33師団は第34師団と連携を図る方針でしたが、事前準備の調整が不十分であり、作戦の成功には不安が残りました。

参加兵力

日本軍は、強力な指揮官や部隊を持つ第11軍を中心に、さまざまな師団が参加しました。第34師団や独立混成第20旅団、また航空部隊も協力し、作戦を展開しました。一方、中国軍も第9戦区が指揮を取り、強力な第19集団軍を中心に多くの兵力を動員していました。

経過

日本軍は3月15日未明に攻撃を開始し、北軍の第33師団は南方への攻撃を行って圧迫しました。高安の攻略に成功した第34師団は、上高を目指して進軍しましたが、この進撃中に中国軍の強力な反撃に遭遇しました。特に、池田旅団の一部が第49軍の大規模な攻撃を受け、厳しい戦闘が起こりました。

3月22日には第34師団が上高城内へ攻撃を開始しましたが、中国軍の反撃は激しさを増し、戦況は困難なものとなりました。23日には攻撃を続ける中で、反撃を受けたため、上高への突入は断念せざるを得なくなりました。

反転作戦

その後、北方の第72軍が戦場に到着し、中国軍の包囲網が強化されました。大賀師団長は撤退を決断し、救援を求めました。第11軍は第33師団に再出撃を命じ、連絡を取りながら第34師団の撤退を支援しました。最終的に第34師団と第33師団は4月2日に帰還することに成功しましたが、戦闘での損失は大きく、両軍に多くの死傷者を出しました。

結果

中国側の戦績としては、「日本軍に対して約15,000の損害を与え、さまざまな武器や兵器を捕獲した」と宣言されました。日本軍の公式記録は存在しませんが、実際の死傷者は約1,000人と推定されています。この作戦はその後の戦局に深い影響を及ぼし、第11軍は中国軍第74軍を宿敵とみなすようになりました。

錦江作戦は、日中戦争の中でも重要な位置を占める戦闘であり、両軍にとっての教訓と影響を与えるものとなりました。特に日本軍にとっては、捨てがたき経験として後に戦争全体の戦略に反映されています。

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