鎌仲政昭

鎌仲政昭

概要

兵庫県神戸市出身の元プロ野球選手（投手）。進学校として知られる兵庫県立神戸高校からプロ入りを果たし、当時話題となった人物です。本格派右腕として将来を嘱望されるも、怪我や病に苦しみ、プロ生活は必ずしも順風満帆ではありませんでした。

アマチュア時代

神戸市立上野中学校在学時には、3年生で迎えた京阪神大会で完全試合という快挙を達成。その才能は早くから注目され、野球の強豪校からも誘いを受けていました。しかし、野球だけでなく学業にも力を入れていた鎌仲氏は、県内有数の進学校である兵庫県立神戸高校へ進学する道を選びます。高校では速球を武器とする投手としてさらに名を馳せました。3年生の夏、甲子園出場を目指した県大会では、シード校として臨んだ初戦で和田山商業高校と対戦。延長11回に及ぶ熱戦で、14個もの三振を奪う力投を見せるも、惜しくもサヨナラ負けを喫し、高校野球に区切りをつけました。

プロ入りと中日ドラゴンズ時代

高校卒業後は大学進学を希望していたものの、1987年のプロ野球ドラフト会議において、中日ドラゴンズから2位という高順位で指名を受けたことを受け、プロの世界へ進む決断をします。当時、公立の進学校から直接プロ野球選手が誕生することは珍しく、大きな話題となりました。

中日に入団後は、将来の主力投手として期待が寄せられました。プロ2年目の1989年には、球団の方針によりMLBの1Aリーグに属するベロビーチ・ドジャースへの野球留学を経験。異国の地で技術向上に励みました。

しかし、期待されたほどの成長を見せることができず、プロの厳しい壁に直面します。本格派として嘱望されながらも伸び悩み、一軍の公式戦で初登板を果たすまでには、プロ入りから5年の歳月を要しました。1992年9月25日、東京ドームで行われた読売ジャイアンツ戦で、救援投手としてマウンドに上がったのが最初の一軍登板記録です。この試合では1イニングを無失点に抑え、一定の成果を見せました。

プロキャリアの後半には、血行障害という深刻な病に苦しめられることになります。この体調不良はピッチングに大きな影響を与え、克服するために投球フォームをサイドスロー気味に変更するなど、試行錯誤を繰り返しましたが、かつての輝きを取り戻すことは容易ではありませんでした。

近鉄バファローズ時代と現役引退

1995年のシーズン終了後、中日ドラゴンズから自由契約となります。現役続行を希望し、近鉄バファローズの入団テストを受験し、合格。翌1996年シーズンは近鉄の選手としてプレーすることになりました。しかし、ここでも一軍での登板機会を得ることはできず、同年限りでプロ野球選手としての現役生活に終止符を打ちました。

引退後

現役引退後の翌年、1997年には古巣である中日ドラゴンズに戻り、打撃投手としてチームを支えました。

記録・背番号

初登板

1992年9月25日、対読売ジャイアンツ24回戦（東京ドーム）、8回裏から3番手で救援登板・完了、1回無失点

背番号

11 （中日ドラゴンズ：1988年 - 1991年）
53 （中日ドラゴンズ：1992年 - 1995年）
64 （近鉄バファローズ：1996年）
* 105 （打撃投手：1997年）

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