鎌倉国宝館

鎌倉国宝館

鎌倉国宝館（かまくらこくほうかん）は、神奈川県鎌倉市雪ノ下に位置する市立の博物館です。館は、鶴岡八幡宮の境内東側に佇んでおり、豊かな歴史と文化を今に伝える重要な施設です。大正12年の関東大震災を受け、鎌倉の文化財を保護する必要性が強調され、その設立が進められました。昭和3年に設立されたこの博物館は、地域の文化を守り伝える役割を担っています。

本館は鉄筋コンクリートで造られ、外観は伝統的な校倉風であるのに対し、内部は鎌倉時代の寺院建築を模しており、現在は国の登録有形文化財となっています。建物内には、小川三知が手がけた鎌倉町町章を表す美しいステンドグラスも飾られており、来館者を魅了します。また、敷地内には鎌倉時代の歌人源実朝を記念する歌碑も設置されています。

鎌倉国宝館では、鎌倉時代から室町時代にかけての絵画、彫刻、工芸品、書跡、古文書など、地域にゆかりのある多様な文化財を展示・保管しています。特に、禅宗文化や宋元文化の影響を受けた作品が多く、約1000点の収蔵作品がある中で、4800点以上の文化財が一堂に会しています。市内の社寺からの寄託品を含めた国宝や重要文化財が多数収蔵されており、それらの専門的な展示と普及活動を通じて、文化財の保護や管理にも力を入れています。

1974年には、肉筆浮世絵のコレクションを目的とした氏家浮世絵コレクションが館内に設立され、以来約百数十点の肉筆浮世絵が展示されています。2012年には、さらに公益財団法人として運営形態を変更し、地域文化の振興に努めています。

施設情報

• - 住所: 〒248-0005 神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-1
• - 開館時間: 午前9時から午後4時30分（入館は4時まで）
• - 休館日: 毎週月曜日（祝日の場合は翌日）、月末の展示替え期間、年末年始
• - 入館料: 一般300円（特別展は別料金）、小・中学生100円（特別展は別料金）

施設では、団体（10名以上）には1人につき100円の割引が提供されています。また、地元の文化財の収集だけでなく、地域に関連する国宝・重要文化財として名高い作品も扱っています。特に、建長寺や鶴岡八幡宮からの寄託品が多く、木造北条時頼坐像や絹本淡彩蘭溪道隆像といった重要な作品が揃っています。

交通アクセス

• - 電車: JR横須賀線、江ノ島電鉄線鎌倉駅から徒歩約12分
• - バス: 江ノ電バス「鎌倉八幡宮」停留所から徒歩約3分、京急バス「大学前」停留所から徒歩約3分
• - 車: 横浜横須賀道路「朝比奈」ICからおよそ20分

地域の歴史的価値や文化を保持するための重要な役割を果たす鎌倉国宝館は、多くの来館者に愛され続けています。その見どころや豊富な展示内容から、訪れる価値は非常に高いと言えるでしょう。

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