鎌倉宮

鎌倉宮について

神奈川県鎌倉市二階堂に位置する鎌倉宮は、後醍醐天皇の皇子である護良親王を主祭神として祀る神社です。この神社は建武中興の十五社の一つで、旧社格は官幣中社として位置づけられていますが、神社本庁には所属していない独立した神社です。地元では護良親王の通称である「大塔宮」としても親しまれ、公式名称の「鎌倉宮」に加えて、一般の人々には「だいとうのみや」とも呼ばれています。

祭神・護良親王

護良親王は日本の歴史の中で重要な人物であり、父である後醍醐天皇と共に鎌倉幕府を倒し、建武中興を成し遂げました。しかし、彼はその後、足利尊氏との対立が続く中で捕えられ、幽閉されて悲劇的な最期を迎えました。このため、当神社は護良親王に対する深い敬意を示す場となっており、訪れた参拝者にとっても意義深い場所となっています。

家族と忠臣

護良親王の最期に際して、彼を支えた女性が持明院南御方です。彼女は護良親王の鎌倉での幽閉生活を共に過ごし、親王が亡くなった際には、丁重にその死を弔いました。南御方にも関連する摂社が境内に存在し、参拝者の信仰を集めています。

忠臣として知られる村上彦四郎義光は、護良親王を守るために身代わりとなり、壮絶な最期を遂げたことでも知られています。彼を祀る「村上社」は、鎌倉宮の境内にあります。

鎌倉宮の歴史

1869年に明治天皇が護良親王を称え、この神社の建設を命じました。その際、鎌倉宮という名前が付けられ、1873年には明治天皇が実際にご参拝されました。この年に神社は官幣中社に列格し、その後も多くの人々に信仰されています。歴史的な背景を持つ鎌倉宮は、観光スポットとしても人気があり、参拝する人々が絶えません。

重要な施設と宝物

境内には護良親王にゆかりの品々が展示された宝物殿があり、訪れる人々がその歴史に触れることができます。また、護良親王が幽閉されていたという伝説が残る土牢の跡もあり、歴史的な名所として興味を引いています。これらの施設は有料での拝観が可能です。

参拝客のための休憩所も完備されており、団体客や観光客が利用しやすい環境が整えられています。加えて、厄除けや病気平癒のご利益を求めて多くの人々が訪れる「撫で身代わり様」像や、護良親王の守り神として伝えられる獅子頭守像も境内にあります。

アクセスと周辺情報

鎌倉宮へはJR横須賀線や江ノ島電鉄鎌倉駅からバスでのアクセスが可能で、観光名所としても知られています。鎌倉宮を訪れることで、神道や日本の歴史に触れる貴重な体験ができるでしょう。親王にまつわる逸話や、彼が守り続けた信仰を感じながら、歴史的な空間を楽しむことができます。

もう一度検索