鎮西 (砲艦)

鎮西（ちんせい）

鎮西は、日本海軍に所属する砲艦であり、元々は清国海軍の鎮東型砲艦「鎮西（Chen-Hsi）」でした。この艦は日清戦争の結果として日本の艦隊に加わりました。

艦歴

鎮西は1880年にイギリスのニューカッスルにあるアームストロング社エルジック工場で建造され、清国北洋水師に編入されました。当初は清国海軍の一員として活動していましたが、日清戦争の最中の1895年2月17日に威海衛にて日本軍に捕獲されました。その後、同年3月16日に日本艦籍に編入されました。

日本に編入された後、鎮西は国内の警備任務に従事しました。1898年には日本海軍の新しい艦艇分類基準が制定され、1,000トン未満の砲艦が二等砲艦として分類されることになりました。鎮西はこの基準に従い、二等砲艦に分類されました。

その後の艦生は1899年に進水した武蔵型戦艦のような大型艦と比べると影が薄かったものの、鎮西は日本海軍史において特有の役割を果たしました。1903年8月21日、鎮西は正式に除籍され、雑役船として再編成されました。

さらに、1908年5月23日には文部省に移管され、島根県立隠岐商船学校の練習船として新たな使命を担うこととなりました。これにより、鎮西の艦としての役割は教育の場にシフトし、多くの若い海員を育成する手助けをしました。

艦長

艦長としては、田中行尚大尉が1900年10月22日から1901年1月22日まで指揮を執っていました。

同型艦

鎮西と同型の艦は以下の通りです：

• - 鎮東
• - 鎮南
• - 鎮北
• - 鎮中
• - 鎮辺

これらの艦も清国海軍から引き渡されたもので、同様に日本海軍の一部として活動しました。また、鎮西の艦歴や役割は他の同型艦と共通しており、当時の海上戦力の一端を担う存在でありました。

参考資料

本記事においては、以下の資料を基に記述を行いました。

• - 呉市海事歴史科学館編『日本海軍艦艇写真集 航空母艦・水上機母艦』
• - 片桐大自『聯合艦隊軍艦銘々伝』
• - 『官報』
• - アジア歴史資料センターの公文類聚及び達等の公式文書

このように鎮西は、日清戦争を通じて日本海軍の一翼を担った艦であり、単なる軍艦としての役割を超えて教育の分野でも貢献した特異な存在であると言えるでしょう。

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