鏡川

鏡川（かがみがわ）

鏡川は、高知県高知市を流れる河川で、二級水系に位置付けられた二級河川です。この川は、とても美しい環境が評価され、環境省から「平成の名水百選」にも選ばれています。また、宇宙の小惑星（4256）も鏡川にちなんで名付けられました。

地理

鏡川の源流は高知市土佐山にあり、いくつかの小河川の水を集め、「鏡ダム」に貯水されます。上流部は山間部を流れ、その後高知平野へと至ります。この中流域では江ノ口川へ分流する部分もあり、高知市を横断して海へと注いでいきます。河口部には丸山台という小島があり、特にその風景は美しいです。この地域は河川が流れているにもかかわらず、水質は比較的良好で、夏には多くの人々が川遊びや遊泳を楽しんでいます。

しかし、鏡川は他の高知の河川と同様、上流と下流の標高差が大きく、洪水や渇水が発生しやすいという側面もあります。記録によると、1976年には大雨の影響で堤防が決壊し、深刻な被害が出たこともあります。渇水時には吉野川水系の早明浦ダムから導水を行って対策しています。

源流点の定義

鏡川の源流点にはいくつかの説があります。具体的には細薮山や高尻木山、工石山の周辺がその候補とされています。他にも七ツ淵や丸山台など多様な地形が存在します。

歴史

鏡川は古くは「潮江川」と呼ばれていました。土佐国の中心地である高知市北東部は、かつては湿地帯で、開拓には困難を伴いました。戦国時代には長宗我部元親が城を築こうと試みましたが、その水はけの悪さゆえに3年で途絶えました。

その後、土佐藩の初代藩主である山内一豊が、鏡川と江ノ口川を使って外堀を設ける城の建設を開始しました。完成した城は「河中山城」と呼ばれましたが、度重なる洪水の影響で、2代藩主忠義は名を変えました。最終的に「高知城」と名付けられ、この城を中心に高知の城下町が整備されました。

また、5代藩主の時代に「鏡川」と名付けられた際、他の同名の川は「物部川」と改名されました。坂本龍馬もこの川で泳ぎ、彼の幼少期のエピソードが伝わります。

主な災害

鏡川の低地部分は内水や高潮での氾濫が起こりやすく、歴史的にいくつかの災害が記録されています。

• - 1970年：台風による異常高潮で堤防が決壊、海水が侵入しました。
• - 1975年：台風による集中豪雨で浸水被害。
• - 2014年：台風12号による豪雨で家屋の浸水や橋の流失が発生。
• - 2019年：台風18号の影響で自動車が水没する事件もありました。

流域の自治体と主な支流

鏡川が流れる地域は高知市などの自治体にあたります。支流には高座川や海老川、三所川などが存在し、これらは神田川として合流し、最終的には鏡川の下流部に流れ込みます。また、様々な橋梁が鏡川を渡っており、交通路としても重要な役割を果たしています。

文化と作品

鏡川は文学や文化でも取り扱われており、安岡章太郎の小説『鏡川』は特に有名です。地域の歴史や自然を背景にしたこの作品は、多くの人に親しまれています。

鏡川はその歴史や文化を通じて、高知市に欠かせない存在となっており、今も多くの人々に利用され続けています。

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