長三和音

長三和音（Major Triad）

長三和音（ちょうさんわおん、英語: major triad）は、音楽理論における基本的な和音の一つで、根音、根音から長三度（4半音）上の音、根音から完全五度（7半音）上の音の3音で構成されます。メジャーコード（major chord）とも呼ばれます。

基本データ

和音記号: X（根音）, Y（第3音）, Z（第5音）とすると、一般的な和音記号は X となります。
周波数比: 4:5:6

主な用法

西洋音楽において、長三和音は短三和音と並んで非常に重要な位置を占めています。具体的な用法としては、以下のようなものがあります。

長調における I, IV, V: 長調の楽曲において、主要な和音として機能します。
短調における III (♭III), IV, V, VI (♭VI), VII (♭VII): 短調の楽曲においても、特定の和音として効果的に使用されます。

転回形

長三和音には、基本形、第1転回形、第2転回形の3つの形があります。

基本形

基本形は、根音が最も低い音にある形です。ポピュラー音楽では、長三和音は基本形で用いられることが非常に多いです。

第1転回形

第1転回形は、第3音が最も低い音にある形です。基本形とは異なった独特な浮遊感のある響きを持ち、クラシック音楽でよく用いられます。第1転回形の場合、バス以外の声部に第3音を含むと響きが濁ってしまうため、避けるべきとされています。

第2転回形

第2転回形は、第5音が最も低い音にある形です。響きが不安定であるため、基本形や第1転回形のように頻繁には用いられません。偶成和音的な用法や、不安定な響きを意図的に用いる場合に用いられることが多いです。偶成和音としての用法としては、倚和音としての用法が最も一般的です。

例：C/G - G7 - C

経過和音としての用法もあります。

例：C - G/D - C/E

付加音、テンション

ポピュラー音楽では、長三和音の響きが単純であるため、第6音や第7音を付加して、X6、XM7（X△）などの形で使用することがあります。単にCと書いた場合には、C6 か CM7のことを指す場合もあります。長三和音は 9、#9、#11、13 などのテンションを持つことができ、これらの音を付加することで、より複雑な響きを作り出すことができます。また、第3音を第4音と交換したXs us4もよく使用されます。

長三和音の正当性

長三和音は、倍音列を根拠として正当化されています。ハ長調の和音（Cの和音）の構成音は、C, E, Gであり、EはCの第5倍音、GはCの第3倍音です。つまり、Cの和音は、C音上の低次倍音のみから構成されています。このことが、長三和音が西洋音楽の中心的な和音として確立された音響的な根拠とされています。

脚注

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音階

* 長調、長音階

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