長久手市中央図書館

長久手市中央図書館について

長久手市中央図書館は、愛知県長久手市にある公共図書館です。1992年6月2日に長久手町中央図書館として開館し、2012年1月4日に長久手市が市制を施行したことに伴い、現在の名称に改称されました。地域住民の学習や文化活動を支える重要な拠点として、多くの人に利用されています。

歴史

開館前

図書館開館前、長久手町では体育館の一室を図書室として活用していました。この図書室には、約2万冊の蔵書があり、運動後に本を借りる人や、児童書を求める親子連れでにぎわっていました。当時、長久手町教育委員会は文化会館の建設を優先していましたが、21世紀を見据えた総合計画策定にあたり、図書館建設への機運が高まりました。1989年11月には町長が図書館建設を支持し、町制施行20周年記念事業として建設が決定しました。

図書館の建設地は、町西部の高台にある檜ヶ根公園に決定し、1990年1月に図書館設立構想委員会が発足。設計コンペを経て基本設計がまとめられ、1991年2月に着工、1992年3月に竣工しました。建設費は約16億円でした。

開館後

体育館併設の図書室時代の蔵書約2万冊に加え、開館に向けて約2万4千冊が新たに購入され、開館時の蔵書数は約4万5千冊となりました。開館時には、児童文学者や古典文学者を招いて記念講座も開催されました。また、寄贈本を自由に借りられる「善意コーナー」も設置されました。1994年6月には雑誌の貸し出しも開始しています。

2002年10月には公式ウェブサイトを開設し、2003年4月にはインターネット予約サービスを開始しました。2005年7月には広域貸出サービスを開始し、周辺自治体の住民も利用できるようになりました。2007年2月には、愛知医科大学図書館との連携事業「めりーらいん」に参加し、医療情報の提供や相談体制の強化に努めています。

2009年4月には、フランス哲学者の本多英太郎氏が館長に就任しました。本多氏は初の外部登用館長で、図書館運営に新たな視点をもたらしました。同年10月には文庫本の拡充を図り、2010年4月には文庫本コーナーを新設しました。

2012年1月4日、長久手町が市制を施行し長久手市となったことに伴い、長久手市中央図書館に改称。同年4月には、館内での公衆無線LAN（Wi-Fi）サービスを開始し、利便性の向上を図りました。2013年度には雑誌スポンサー制度を開始、同年6月にはブックスタート事業も開始しています。2015年5月には、NPO法人楽歩が運営する喫茶店「楽歩カフェ」が館内にオープンし、障害者の就労支援の場ともなっています。

建物

図書館の建物は、名古屋市の丹羽英二建築事務所が設計を手掛けました。円形と正方形を組み合わせたユニークな外観で、中央には塔が配置されています。敷地面積は約2,485平方メートル、延床面積は約4,201平方メートルで、地上2階、地下1階の鉄筋コンクリート構造です。開館当初は移動図書館サービスは行っていませんでしたが、将来的な運行を想定して車庫が設けられています。

1階は吹き抜け構造で、中央にカウンター、右手には一般開架スペースと児童開架スペースがあります。2階には特別資料閲覧室（地域資料室）、ギャラリースペース、AVルーム、多目的ルームがあります。内装は青色と灰色を基調とし、大きな窓から自然光が差し込む明るい空間となっています。

利用案内

開館当初の開館時間は午前9時から午後5時までで、月曜日、第2火曜日、祝日、年末年始、特別整理期間が休館日でした。開館時には雑誌40誌と新聞6紙を購入し、蔵書数は図書が約4万6千冊、AV資料が約4,700点でした。収蔵能力は開架が8万冊、閉架が12万冊、合計20万冊です。

貸出冊数は図書が3冊まで、AV資料が2点までで、貸出期間は図書が15日間、AV資料が8日間でした。当初は長久手町在住・在勤・在学者のみが館外貸出を利用できましたが、2005年7月からは貸出資格が拡大しました。2019年11月からはAV資料の貸出期間が14日間に変更されています。

開館時間の延長を求める声に応え、2000年9月には試験的に開館時間を延長し、2001年5月からは平日の開館時間を午前9時から午後7時までとしました。また、祝日も開館することになりました。

現在の開館時間

火曜日～金曜日：午前9時～午後7時（2階は午後5時まで）
土日祝日：午前9時～午後5時

休館日

毎週月曜日
毎月第4火曜日（館内整理日）
年末年始
特別整理期間

利用者登録

長久手市在住・在勤・在学・在園者
名古屋市名東区・守山区、瀬戸市、尾張旭市、日進市、豊田市在住者

アクセス

開館当初の最寄駅は名古屋市営地下鉄東山線藤が丘駅で、そこからバスと徒歩でアクセスする必要がありました。2005年の愛知万博開催時には、愛知高速交通東部丘陵線（リニモ）が開通し、最寄駅はなみずき通駅となりました。

鉄道：愛知高速交通東部丘陵線（リニモ）はなみずき通駅下車、北へ徒歩約8分
バス：N-バス中央線「中央図書館」停留所下車すぐ、または中央線・西部線・藤が丘線「文化の家」停留所下車、南へ徒歩約3分。名鉄バス「長久手郵便局」停留所下車、北へ徒歩約8分。

図書館には3か所の駐車場と、文化の家駐車場が利用可能です。自転車・バイク駐輪場は建物南側にあります。

まとめ

長久手市中央図書館は、地域の文化・学習拠点として、住民の知的欲求に応える様々なサービスを提供しています。豊富な蔵書に加え、学習スペースや地域連携活動、喫茶店の設置など、地域住民に親しまれる図書館として、これからも発展していくでしょう。

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