長原古墳群

長原古墳群について

長原古墳群（ながはらこふんぐん）は、大阪府大阪市平野区の長吉長原周辺に分布する古墳時代の遺構です。この古墳群は、古墳時代前期末から後期初めにかけて築かれたもので、その数は200基以上にも及びます。特に、大阪市営地下鉄工事に伴いその存在が発見され、多くの埴輪が出土したことで注目されている場所です。

古墳群の発見と調査

1973年に地下鉄の工事に関連して始まった発掘調査により、地上には古墳の痕跡がないにも関わらず、円筒埴輪が次々と出土しました。調査の結果、墳丘の土が失われているものの、小規模な古墳の痕跡が多数残っていることが分かりました。その後、塚ノ本古墳と名付けられた大規模な古墳が発見され、周囲の地名からも多くの古墳の存在が推定されます。調査が進むにつれて、古墳群は2キロメートル以上にわたって広がっていることが明らかとなり、2006年までに確認された古墳の数は213基に達しました。

古墳群の形成時期

長原古墳群は、4世紀末から6世紀前半にかけて形成されたとされています。この時期は4つの異なる段階に分けられ、初期には比較的大型の古墳が特徴であり、それ以降は小型の古墳が多く築かれました。この変遷は、地域の支配構造の変化にも関連していると考えられています。特に、古墳の様式や埴輪の出土からは、当時の社会構造や権力関係が垣間見えます。

内部構造と出土遺物

長原古墳群の多くの古墳は後世に削平され、主体部が失われているものが多いですが、いくつかは明確な内部構造を持っています。確認されている古墳のうち、いくつかは木棺直葬や埴輪棺などの埋葬方式が採用されており、副葬品として鉄製品や須恵器、土器が見つかっています。また、周溝からは多様な埴輪が出土しており、その中には人や馬、武器形象の埴輪が含まれています。

特に高廻り古墳群から出土した埴輪の一部は重要文化財に指定され、古代の技術や文化に関する貴重な資料とされています。このような埴輪は、当時の葬送儀礼や社会的背景を知る手がかりとなります。

代表的な古墳の紹介

いくつかの古墳の中でも特に代表的なものとして、塚ノ本古墳、一ヶ塚古墳、七ノ坪古墳、南口古墳などがあります。これらはそれぞれ異なる時期に築かれたもので、興味深い特徴を持っています。例えば、塚ノ本古墳は直径55メートルを誇る円墳であり、古墳群の中で最も古いものとされています。

結論

長原古墳群は、大阪市における古墳文化の重要な一例で、そこから得られる情報は、古代における社会の構造や宗教観を理解するための貴重な資源といえます。発掘活動は今後も続き、更なる知見が期待されます。

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