長命寺 (練馬区)

長命寺

長命寺は、東京都練馬区高野台に位置する真言宗豊山派の寺院です。山号を東高野山と称し、江戸時代から「東の高野山」として関東地方で広く信仰を集めてきました。寺院のある高野台という地名や、最寄りの駅である練馬高野台駅の名称の由来ともなっています。

歴史

長命寺の起源は、慶長18年（1613年）に後北条氏の一族である慶算阿闍梨が弘法大師像を祀る庵を設けたことに遡ります。その後、慶算阿闍梨の甥である増島重俊によって観音堂や金堂などが整備されました。寛永17年（1640年）には、奈良・長谷寺の小池坊秀算によって十一面観音像が造られ、「長命寺」の寺号を得ました。1648年には、徳川三代将軍・徳川家光から朱印地を賜り、朱印寺としてその名を知られるようになりました。

当初、山号は秀算によって谷原山とされていましたが、寺院の奥の院が高野山奥の院を模して多くの石仏や石塔が建立されたことから、東高野山とも呼ばれるようになり、「東の高野山」として人々の信仰を集めるようになりました。金堂は過去に何度か火災で焼失しており、現在の金堂は明治37年（1904年）に再建されたものを昭和46年（1971年）に修復したものです。また、観音堂も度々焼失に見舞われ、現在の建物は1979年に再建されたものです。

年表

1640年（寛永17年）11月1日 - 長谷寺の小池坊秀算により「谷原山妙楽院長命寺」と命名
1658年（万治元年） - 失火により全焼
1667年（寛文7年） - 観音堂再建（旧区史には寛文元年と記載）
1799年（寛政11年）6月7日 - 境内のユズリハの木の瘤が人面に似ているとして多くの見物人を集めた記録が残る
1897年（明治30年）1月 - 本堂、庫裡、長屋門を焼失
1904年（明治37年）7月 - 本堂再建
1977年（昭和52年）6月10日 - 観音堂全焼

史跡・施設

金堂: 不動明王像などが安置されています。
観音堂: 本尊である十一面観音像が安置されています。現在の本尊は、当初のものではなく、後に新しく造られたものです。
御影堂: 奥の院にあり、開基である増島重明が祀った弘法大師像が安置されています。普段は秘仏ですが、毎年4月21日に開帳され、同時期に境内では植木市と稚児行列が行われます。
石仏・石塔: 寺院の西部一帯に広がる高野山を模した奥の院に、1652年（慶安5年）に徳川家光の一周忌を追悼して安置された石仏や石塔が多数あります。現在も多くの石仏や石塔を見ることができ、その数は練馬区内で最多です。1956年に東京都の指定文化財（史跡）となりました。
地蔵堂
鐘楼: 1650年（慶安3年）に建てられたもので、練馬区指定有形文化財です。
南大門: 寺院の山門で、四天王像が安置されています。
仁王門: 17世紀後半に建立されたもので、練馬区指定有形文化財です。
姿見の井戸

歴代住職

歴代住職に関する詳細は、現在のところ不明です。

アクセス

所在地: 〒177-0033 東京都練馬区高野台3丁目10番3号
交通: 西武池袋線・練馬高野台駅より徒歩3分
拝観: 日中の時間帯は無料で拝観できます。

脚注

注釈

現在、注釈はありません。

出典

現在、出典はありません。

参考文献

『練馬区史』 歴史編、練馬区、1982年。
増島忠之助『練馬高野台長命寺考』人間舎、1998年。全国書誌番号:99124361。
斎藤長秋 編「巻之四 天権之部 谷原山長命禅寺」『江戸名所図会』 3巻、有朋堂書店〈有朋堂文庫〉、1927年、54-58頁。NDLJP:1174157/32。

関連項目

王禅寺: こちらも東の高野山として知られています。

外部リンク

真言宗豊山派長命寺(練馬区)
* 武蔵野三十三観音霊場

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