長国寺 (台東区)

長国寺について

長国寺（ちょうこくじ）は東京都台東区千束に位置する法華宗本門流の寺院です。山号は鷲在山（じゅざいさん）で、大本山の鷲山寺に属しています。寺院の名称には「長國寺」との表記もあります。特に東京都内で有名なのは、浅草の酉の市がこの寺院から始まったことです。

歴史

長国寺の歴史は江戸時代に遡ります。寛永7年（1630年）、山号である鷲在山を持つ 鷲山寺の13世である日乾によって鳥越町に建立されました。寺院は寛文9年（1669年）に新吉原近くの現在の位置に移転されました。その際、本尊として祀られたのは鷲妙見大菩薩です。

この本尊には特別な逸話があります。1265年、日蓮が上総国の鷲巣にあたる土地にある小早川家に滞在していた際、国家平穏を願い祈りを捧げたところ、金星が突然動き出し、不思議な力をもって現れたとされています。この祈りが行われたのは11月の酉の日でした。1771年には日玄がこの鷲妙見を鷲山寺から長国寺に移し、そして祀っています。

当初は多数の堂宇を有する大規模な伽藍が存在していました。特に鷲妙見が安置されていた番神堂は、「妙見堂」や「鷲大明神の社」、「鷲の宮」とも称されていましたが、明治初年の神仏分離令によって寺院と鷲神社に分けられました。

国や地域の平穏を願うこの寺院から派生した「鷲大明神」という神格は、七曜の冠をかぶり宝剣を手に持つ鷲の姿が特徴で、開運招福の守り本尊として親しまれています。このように、長国寺は特に応現の日に奨励される浅草「酉の市」の中核的存在として、江戸時代から多くの人々に信仰されてきました。

交通アクセス

長国寺へ訪れる際の交通手段として、東京地下鉄日比谷線の入谷駅から徒歩約8分、または同じく日比谷線の三ノ輪駅からも徒歩約8分というアクセスの良さがあります。この便利な立地は、観光客や信者が訪れる際にも好評です。

まとめ

長国寺は東京の歴史的かつ宗教的なシンボルであり、鷲妙見の信仰が根底にあることで知られています。この寺院は浅草の文化と習慣に深くかかわり、特に酉の市などの行事を通じて多くの人々に愛されてきました。長国寺を訪れることで、江戸時代からの信仰や文化を直に感じることができる貴重な体験ができるでしょう。

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