長尾香里

長尾香里（ながお かおり）氏は、1971年7月12日生まれの日本の放送ジャーナリストです。本名は諸橋 香里（旧姓：長尾）。現在、NHKメディア総局報道局国際部の記者として、世界の出来事を精力的に取材し伝えています。

兵庫県で生を受け、その後東京都で成長しました。学業においては、聖心女子学院での学びを経て、英国の著名な高等教育機関であるロンドン・スクール・オブ・エコノミクス（ロンドン大学）に進学。国際情勢や経済学といった分野を深く学び、後のジャーナリストとしての基礎を築きました。

大学卒業後、1995年にNHKに入局。当初から記者としての道を歩み始めました。最初の任地はNHK仙台放送局で、ここで地域に根差した取材経験を重ねます。その後、本部の報道局へ活躍の場を移し、社会部にて警視庁担当記者として、事件や事故、社会的な問題に関する報道に携わりました。この経験を通じて、国内の様々な事象に対する理解と取材能力を高めていきました。

国内報道の経験を積んだ後、報道局国際部へと異動。国際ジャーナリストとしてのキャリアを本格的にスタートさせます。特に注目されるのは、フランス・パリに拠点を置くNHKヨーロッパ総局での駐在経験です。この期間、ヨーロッパ各地の政治、経済、文化、社会情勢など、多岐にわたるテーマを取材し、国際的な視野を広げました。

現場での豊富な取材経験を活かし、帰国後はテレビ番組のキャスターとしても活動します。2007年10月からは、NHKの国際情報番組『NHK海外ネットワーク』の2代目キャスターに就任し、2010年3月まで番組を担当しました。前任の解説委員である道傳愛子氏から引き継ぎ、国際ニュースを深く掘り下げ、視聴者に分かりやすく解説する手腕で知られるようになりました。番組の中でも、2009年1月11日の放送で、当時のガザ地区とイスラエルの状況について特集した際に、日本政府の対応について言及したことが反響を呼びました。

『NHK海外ネットワーク』降板後は、再び記者職に専従することを選びます。ヨーロッパでの経験を活かし、EUの本部が置かれるベルギーのブリュッセル支局長を務めるなど、重要なポストを歴任。国際政治の中心地での活動は、その専門性を一層高めることとなりました。

2017年4月から2019年3月にかけては、NHKの夜のニュース番組『ニュースチェック11』で、青井実アナウンサーと共に2代目のメインキャスターを務めました。約2年間にわたり、その日一日のニュースを落ち着いたトーンで伝え、多くの視聴者からの信頼を得ました。

私生活では、株式会社サイダスの執行役員・経営戦略室長であり、かつてグーグルで新規顧客開発本部統括部長を務め、現在はビジネス・ブレークスルー大学で経営学部ITソリューション学科の専任准教授を務める諸橋峰雄氏と結婚しています。

趣味は、ワイン、旅行、映画鑑賞などがあり、これらの幅広い関心が、ジャーナリストとしての活動にも良い影響を与えていると推察されます。

これまでに主要な番組に出演した経歴は以下の通りです。

NHK海外ネットワーク（2007年10月 - 2010年3月）：2代目キャスター
NHKニュース7、ニュースウオッチ9（2011年4月29日）：英ウイリアム王子結婚式の関連ニュースで解説を担当
* ニュースチェック11（2017年4月 - 2019年3月）：2代目メインキャスター

長尾氏は、長年にわたりNHKの報道部門でキャリアを積み重ね、国内外の重要な出来事を伝え続けています。現場記者としての深い洞察力と、キャスターとしての分かりやすい解説力を兼ね備え、日本の国際報道において重要な役割を果たしているジャーナリストの一人です。現在も国際部記者として、世界の動きを日々追い、その情報を発信しています。

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