長島武夫

長島武夫：時代劇を彩った名脇役、そして殺陣師

長島武夫（ながしま たけお、1907年4月15日 - 没年不詳）は、昭和期の映画界で活躍した俳優であり、後年は殺陣師としてもその才能を発揮しました。本名も同じく長島武夫。芸名表記には、永島猛男、長嶋武夫、長島武雄、長島たけおといったバリエーションが見られます。

生い立ちと映画界への道

1907年、東京市牛込区（現在の東京都新宿区）に生まれた長島は、早稲田実業学校を中退後、銀行員を経て俳優を志します。1925年、東邦映画の俳優、葛木香一に師事。同年9月には、葛木の紹介で日活大将軍撮影所時代劇部に入社し、映画界に足を踏み入れました。

俳優としてのキャリア

1926年、市川市丸主演の映画『姫小姓弥源太』で映画デビュー。以降、日活、松竹下加茂撮影所、東宝と、数々の映画会社で助演として活躍しました。初期には永島猛男の名で活動していましたが、後に長島武夫に改名しています。

長島は、時代劇を中心に幅広い役柄を演じました。主な出演作品には、『大久保彦左衛門』、『破れ編笠』、『忠臣蔵』、『支那の夜』、『生きる』、『モスラ』などがあります。特に、東宝時代の作品では、本多猪四郎監督作品に多く出演し、特撮映画にもその姿を見ることができます。

殺陣師への転身と晩年

1961年の『モスラ』出演後、長島は長島たけおと改名し、殺陣師へと転向しました。1972年放映のテレビドラマ『マドモアゼル通り』まで出演作品が確認できますが、その後の消息は不明です。没年は不詳。

主な出演作品

大久保彦左衛門（1927年、日活大将軍） - 都築之馬
破れ編笠（1927年、衣笠映画聯盟） - 渥美武四郎
忠臣蔵 前篇 赤穂京と巻（1932年、松竹下加茂） - 武林唯七
忠臣蔵 後篇 江戸の巻（1932年、松竹下加茂） - 武林唯七
支那の夜 前篇（1940年、東宝映画東京） - 柳井
支那の夜 後篇（1940年、東宝映画東京） - 柳井
生きる（1952年、東宝） - 環境衛生係職員
モスラ（1961年、東宝） - インファント島民

参考文献

日本映画データベース
KINENOTE
* 東宝資料室（ウェイバックマシン）

長島武夫は、その長いキャリアを通じて、数多くの映画作品に貢献しました。名脇役として、また殺陣師として、彼の仕事は日本の映画史にその名を刻んでいます。

もう一度検索