長崎さるく博

長崎さるく博'06：日本初のまち歩き博覧会

長崎さるく博'06は、2006年4月1日から10月29日までの約半年間、長崎市で開催された地方博覧会です。この博覧会は、「日本初のまち歩き博覧会」と銘打ち、長崎の街を歩きながらその魅力を発見するというコンセプトで企画されました。

企画の背景

この博覧会のアイデアは、長崎市出身のシンガーソングライター、さだまさし氏によって生まれました。別府市で行われている体験型イベント「別府八湯温泉泊覧会・オンパク」や、観光ボランティアガイド「別府八湯ウォーク」が企画のベースとなっています。

特徴

従来の博覧会とは異なり、大規模な施設建設を伴わず、地域の資源を最大限に活用した点が特徴です。参加者は、長崎の歴史、経済、風俗、文化、芸能、観光、スポーツなど、幅広いジャンルのコースを自由に選択し、まち歩きを楽しみました。コースは、基本的なものから地元住民でも知らないようなマニアックなものまで、多岐にわたりました。

「さるく」の意味

長崎弁で「さるく」とは「うろつきまわる」という意味ですが、博覧会の主催者によって「ぶらぶら歩く」という意味で広められました。

従来の博覧会との違い

大掛かりな施設を建設しない
参加手続きが簡素
コースが豊富で自由度が高い
地域住民が積極的に参加

コースの種類

博覧会では、様々なテーマの「さるく」コースが用意されました。

長崎遊さるく：参加自由型のコースで、無料で参加できました。所要時間は2時間程度のコースが中心でした。
長崎通さるく：ガイド付きのコースで、参加料は500円でした。予約制でしたが、当日参加も可能でした。
長崎学さるく：体験型のコースで、参加料は講座によって異なりました（1,000円～）。予約制でした。
長崎体験：専門家の指導の下、カステラ作りなどの体験ができるコースで、予約が必要でした。

キャラクター

博覧会のキャラクターは、「さるくちゃん」でした。「さ」「る」「く」という文字をモチーフにした顔が特徴で、博覧会開催エリアの至る所にオブジェクトが設置されていました。

閉幕後

博覧会期間中の延べ参加者数は、推計で1,023万3千人と発表されました。長崎市は、この企画の成功を受け、規模を縮小し、町歩きに特化したイベントとして継続することを決定しました。2007年4月1日からは、「長崎さるく」と名前を改めて再スタートしました。

通さるくは人気を集めましたが、グラバー園などの施設入場者数は予想を下回ったなどの課題も報告されています。また、観光客へのアンケートによる参加者数算出方法に問題があるという指摘もありました。

まとめ

長崎さるく博'06は、地域資源を活かし、住民参加型の新しい博覧会として成功を収めました。その後の「長崎さるく」として、長崎の魅力を発信するイベントとして継続されています。

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