長崎伸一

長崎 伸一

長崎 伸一（ながさき しんいち）は、1980年2月5日に奈良県桜井市で生まれた日本の元プロ野球選手（投手）です。右投げ右打ち。

輝かしいアマチュア時代

奈良県の強豪、天理高等学校に進学した長崎氏は、チームメイトの小南浩史投手と共にチームの投手陣を支える「二本柱」として活躍しました。高校3年生だった1997年の春、選抜高等学校野球大会にチームは出場。勝ち進み、準決勝では小南投手が上宮高校を破り決勝へ駒を進めました。迎えた決勝戦、マウンドを託された長崎投手は、中京大中京高校打線をわずか1点に抑える見事なピッチングを見せ、チームを初の全国制覇へと導く立役者となりました。これは天理高校野球部にとって記念すべき瞬間でした。同じ年の夏、選手権の県予選でも決勝に進出しましたが、智弁学園高校との激闘の末、延長14回の末に惜しくもサヨナラ負けを喫し、春夏連覇はなりませんでした。

高校卒業後、社会人野球の名門であるプリンスホテルに入社し、野球を続けました。社会人2年目の2000年には、鷺宮製作所の補強選手として都市対抗野球大会に出場するなど、都市対抗という大舞台も経験しています。

プロ入りと短命なキャリア

社会人でのプレーが評価され、2000年のプロ野球ドラフト会議において、千葉ロッテマリーンズから3位指名を受け入団しました。背番号は「17」を与えられました。

プロ入り後は、天理高校時代に見せたような活躍はなかなかできませんでした。ルーキーイヤーの2001年と翌2002年にそれぞれ2試合ずつ一軍で先発登板の機会を得ましたが、プロの壁は厚く、目覚ましい結果を残すには至りませんでした。最速148km/hを計測する力強い速球を武器としていましたが、投球に波があり、プロの世界で通用するためには制球力の安定が課題として挙げられていました。

プロでの通算成績は、一軍での登板はわずか4試合にとどまりました。初登板・初先発は2001年4月7日の福岡ダイエーホークス戦（千葉マリンスタジアム）で、5回を投げ3失点という内容でした。この試合の1回表には、ペドロ・バルデス選手から空振り三振を奪い、プロでの初奪三振を記録しています。背番号は、2001年から2004年まで17番、2005年は49番を着用しました。2005年シーズン終了後、球団から戦力外通告を受け、プロ野球選手としてのキャリアを終えることとなりました。

引退後の活動

プロ野球選手を引退した後も、長崎氏は野球に携わり続けました。2007年からは古巣である千葉ロッテマリーンズに戻り、打撃投手としてチームを支える裏方として働きました。打撃投手時代の背番号は「111」で、2013年まで務めました。

2014年からは、次世代の野球選手を育成するため、マリーンズ・アカデミーのコーチに就任しました。同時に、小学生で構成される「マリーンズ・ジュニア」チームのコーチも兼任し、野球の楽しさや技術を子供たちに教えています。

さらに、2019年からは野球とは異なる分野である測量会社トラバースに入社し、新たなキャリアをスタートさせました。しかし、野球への情熱は衰えることなく、現在40歳を過ぎていますが、同社の軟式野球部に選手として所属しており、今なおグラウンドでプレーを続けています。プロ野球選手としての道は長くは続きませんでしたが、様々な形で野球への貢献を続けている人物です。

詳細情報と記録

背番号

選手時代: 17 (2001年 - 2004年), 49 (2005年)
打撃投手時代: 111 (2007年 - 2013年)

関連人物

* 関本賢太郎 - 天理高校の先輩にあたります。

長崎伸一氏は、甲子園優勝投手という栄光、プロでの苦闘、そして引退後の育成活動や社会人軟式野球での現役継続など、様々な野球人生を歩んでいます。彼の経験は、多くの野球ファンや若い選手たちにとって、興味深い物語となるでしょう。

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