長崎小夜曲

長崎小夜曲 NAGASAKI-CITY SERENADE

『長崎小夜曲 NAGASAKI-CITY SERENADE』は、日本のシンガーソングライターであるさだまさしの楽曲で、1982年9月11日にシングル盤としてリリースされました。この楽曲は、さだまさしの新たな一面を示すポップなアプローチで、多くのファンに驚きを与えました。

初演の背景

この曲は、1982年7月17日に東京厚生年金会館で行われたコンサートで初めて披露されました。これまでの印象とは異なる明るい曲調に、ファンは驚きを隠せなかったと言われています。同日の夜には文化放送の番組でも初めて放送され、翌日のコンサートでも再度演奏されました。特にこの初演は、さだのキャリアにおいて重要なマイルストーンとなったと考えられています。

曲の誤解について

一部の情報源では、この曲が1982年7月に発生した長崎大水害を受けて制作されたと説明されています。しかし、実際にはこの曲は水害の一週間前に初演されており、その説明は誤りです。『さだまさし全一冊』によると、彼は正月の6日に軽井沢で楽曲を作成したことが記録されています。6月にはレコーディングが完了しており、さだのラジオ番組で実施したアンケートでは99%がこの楽曲のシングル化を望むという結果が得られました。これらの事実からも、曲の誕生には計画的な取り組みがあったことが明らかです。

曲の特徴とアレンジ

『長崎小夜曲』は、さだのすべての公演で演奏される人気曲となり、1990年にはサンバ風にアレンジされた「長崎小夜曲'90」も発表されました。また、同年には麻倉未稀によるカバーも行われ、さまざまな形式でこの楽曲が楽しませることになりました。

シングルの独自性

このシングル盤は、一般に使われる「SIDE 1」「SIDE 2」という表記がされておらず、収録曲のクレジットはユニークな「南面」と「北面」という表現が使われています。南面には「長崎小夜曲 NAGASAKI-CITY SERENADE」が、北面には「北の国から─遙かなる大地より 〜蛍のテーマ」がそれぞれ収録されています。こうした工夫も、この楽曲の特別な位置づけを助けています。

現代への影響

2013年10月5日以降、特急かもめのJR長崎駅への到着時にこの曲が流れるようになりました。これは、JR九州が試験的に曲を流した際の好評を受けてのもので、さだまさし自身による「僕の愛するふるさと、長崎へお帰りなさい。そしてようこそ」というアナウンスも付け加えられ、正式に採用されました。これにより、長崎という場所の文化的な認識がさらに深まっています。

まとめ

『長崎小夜曲 NAGASAKI-CITY SERENADE』は、さだまさしの楽曲の中でも特に影響力が大きく、様々な形で愛され続けています。その背景や制作過程を知ることで、楽曲の価値が一層高まることでしょう。

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