長崎少年鑑別所

長崎少年鑑別所：少年の更生と地域社会の支援を担う機関

長崎少年鑑別所は、長崎県長崎市に所在する法務省矯正局管轄の鑑別施設です。通称「法務少年支援センターながさき（浦上青少年相談室）」としても知られており、少年の健全育成と地域社会への貢献を両輪とする重要な役割を担っています。

少年鑑別所の役割

少年法、少年院法に基づき設置された同鑑別所は、家庭裁判所から観護措置の決定を受けた少年（触法少年を含む）を対象に、詳細な鑑別を行います。鑑別期間はおよそ4週間ですが、事件の重大性によっては最長8週間まで延長される場合があります。

鑑別では、少年の生育環境、心理状態、非行の背景など多角的な側面を綿密に調査します。専門的な知識と経験を持つ職員が、面接、心理検査、知能検査などを用いて、少年の特性や更生のための適切な処遇を決定するための情報を収集します。

これらの鑑別結果は、家庭裁判所における少年審判、少年院送致の判断、保護観察所の指導、児童自立支援施設への入所など、少年の処遇を決定する上で重要な役割を果たします。少年の将来にとって最適な支援を決定するために、正確かつ客観的な情報提供に努めています。

無料相談窓口：浦上青少年相談室

長崎少年鑑別所には、「浦上青少年相談室」という相談窓口が併設されています。非行少年への対応で培われた専門性を活かし、地域住民からの相談を無料で受け付けています。来所相談だけでなく、電話相談にも対応可能です。

相談内容は、非行や犯罪行為に関するものだけでなく、親子関係、学校や職場でのトラブル、交友関係の悩み、子育てに関する相談など多岐に渡ります。思春期の悩み、再犯防止策、知能検査に関する相談にも対応しています。

相談員は、臨床心理士資格を持つ法務技官や、社会学、心理学、教育学を専門とする法務教官など、高い専門性を有する職員が務めています。相談内容は厳重に守秘されますので、安心して相談できます。

相談対象者は、少年本人だけでなく、家族や周囲の人々も含まれ、成人からの相談も受け付けています。学校関係者からの相談も多く、問題行動を起こす生徒への対応について、教師への助言、生徒・保護者・教師との面談、学校主催の指導研究会への参加、法教育授業の実施など、学校現場への支援も行っています。

また、社会福祉法人南高愛隣会が運営する「トレーニングセンターあいりん」において、社会内訓練に取り組む高齢者や障害者に対しても、面接や心理検査など専門的な支援を提供しています。

職員体制

鑑別所には、様々な専門性を有する職員が在籍しています。法務教官は少年の教育・指導、法務技官（矯正心理職）は心理検査を専門的に担当します。多くの法務技官は、大学院レベルの心理学の専門知識を持ち、臨床心理士の資格を有しています。さらに、内科医と精神科医も常駐しており、少年の健康面にも配慮した体制を整えています。

アクセス

長崎少年鑑別所は、長崎県長崎市橋口町4-3に位置しています。

長崎電気軌道「平和公園」電停下車後、徒歩10分
長崎県営バス「浦上天主堂前」下車後、徒歩3分

長崎少年鑑別所は、少年の更生支援と地域社会への貢献を両立させ、未来を担う若者の健全な育成に尽力しています。

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