長崎市乗合タクシー

長崎市乗合タクシー

長崎市乗合タクシーは、長崎県長崎市が主導し運行されている、地域住民の移動を支えるための公共交通サービスです。長崎市は地形的に斜面が多く、入り組んだ道路事情から、既存の路線バスだけでは対応が難しい、いわゆる「公共交通空白地域」が少なくありません。このような地域における交通の不便さを解消し、市民の日常生活をサポートすることを目的として導入されました。

運行概要

この乗合タクシーは、市内の複数の地区にサービスエリアが設けられています。現在運行されている主な地区は以下の通りです。

• - 丸善団地地区
• - 矢の平・伊良林地区
• - 北大浦地区
• - 金堀地区
• - 西北地区

運行は、原則として毎日行われていますが、毎年1月1日から1月3日までは運休となります。利用料金は、中学生以上の大人が一回あたり200円、小学生は100円です。1歳未満のお子様は無料で、大人が同伴する1歳から5歳までの幼児は、2名まで無料で乗車できます。支払いは乗車時の先払い制です。なお、長崎スマートカードはこの乗合タクシーでは利用できません。また、障害をお持ちの方には、運賃が半額になる割引制度が適用されます。

運行体制

実際の運行業務は、長崎市から各地区のタクシー事業者に委託されています。

• - 丸善団地地区：ラッキー自動車
• - 矢の平・伊良林地区：丸寿タクシー
• - 北大浦地区：文化タクシー
• - 金堀地区：城山交通（運行開始時は城山タクシーに委託されていましたが、同社の事業譲渡に伴い変更）
• - 西北地区：住吉タクシー

沿革

長崎市乗合タクシーの歴史は、2002年4月8日に丸善団地地区および矢の平・伊良林地区での運行が開始されたことから始まります。その後、2003年4月1日には北大浦地区と金堀地区でサービスが拡大。さらに2009年10月1日には西北地区での本格運行が始まり、対象エリアが順次拡充されてきました。

主な運行ルート

各地区にはそれぞれ独自の運行ルートが設定されており、地域内の主要な施設や交通結節点を結んでいます。

丸善団地地区: チトセピア横と三原小学校前などを結ぶ1路線が運行されています。
矢の平・伊良林地区: 新大工町や蛍茶屋方面と風頭町方面を結ぶルートです。一部便は特定の経由地を選択したり、始発・終着点が異なる場合があります。
北大浦地区: 新地ルート、石橋ルート、館内ルートの3系統があります。それぞれ中心部や東山町、館内などの地域内を結ぶルートです。
金堀地区: 松山町電停前や城栄商店街周辺、金堀峠などを結ぶ路線です。時間帯により運行区間や経由地が異なる便も存在します。
* 西北地区: 岩屋ルート、西北ルート、若竹ルート、柳谷ルートの4系統が運行されています。中園商店街前を起点に、各ルートが設定された地域内を巡回する形で運行されています。

使用車両

各運行地区では、基本的に定員10名のトヨタ・ハイエースをベースとした「ジャンボタクシー」が1台ずつ使用されています。これにより、狭い道路でも運行しやすく、地域内の細やかなニーズに対応できる体制がとられています。

長崎市乗合タクシーは、市の地理的特性に合わせた柔軟な交通手段として、地域住民の生活を支えています。その導入と拡充は、公共交通の利便性向上に向けた市の取り組みの一環と言えるでしょう。

もう一度検索