長崎市立高等女学校

長崎市立高等女学校について

長崎市立高等女学校は、大正時代の1922年に設立された旧制の高等女学校であり、長崎県長崎市に存在しました。この学校は、後に長崎県立長崎東高等学校と長崎県立長崎西高等学校の前身とされています。ここでは、長崎市立高等女学校の概要や沿革について詳しく紹介します。

概要

1920年代初頭、長崎市内には多くの女子中等学校が存在しておらず、女子教育の機会が限られていました。そのため、毎年多くの入学希望者が殺到し、募集人員を超える人気を誇る状況にありました。このような情勢により、長崎市内での女子教育機関の増設が求められるようになり、その結果として長崎市立高等女学校が設立されました。

設立の経緯

長崎市立高等女学校は、1922年4月8日に下西山町の西山女児高等小学校の一部を使用して開校しました。開校当初の生徒数は150名で、入学生の数は年々増加していきました。1924年3月には、西山女児高等小学校が廃校になり、全校舎が市立高等女学校に移管されました。

校訓・校章・校歌

長崎市立高等女学校には、独自の校訓や校章が設けられ、教育理念を具現化していました。また、校歌は葛原しげるが作詞を担当し、弘田龍太郎が作曲しています。歌詞は3番まであり、各番は「我らの学舎 教えは尊（とうと）」で締めくくられています。

沿革

学校の歴史は1945年8月9日の原爆投下やその後の火災によって大きく変わりました。この時、校舎は焼失し、長崎女子商業学校が校舎を間借りして授業を再開しました。1947年には学制改革が実施され、高等女学校の新入生の募集が停止されました。

1948年4月1日、さらに大規模な学制改革が行われ、高等女学校は廃止され新たに「長崎市立女子高等学校」が発足しました。高等女学校卒業生は新制高校の2・3年生として、併設中学校卒業生は1年生として受け入れられました。

続く1949年3月31日には、併設中学校が廃止され、その機能が長崎市立桜馬場中学校に移管されました。1982年には創立60周年を記念して、同窓会の手によって設立の地に「長崎市立高等女学校創立の地」碑が建立され、かつての歴史を振り返る機会が提供されました。

長崎市立高等女学校の歴史は、半世紀以上にわたり、長崎県内における女子教育の重要な拠点としての役割を果たしました。その影響は、今もなお長崎地域の教育機関に引き継がれています。

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