長崎県立西陵高等学校

長崎県立西陵高等学校（ながさきけんりつせいりょうこうとうがっこう）は、長崎県諫早市多良見町化屋に校舎を構える公立の高等学校です。1986年に開校し、長崎県内の県立高校としては比較的新しい歴史を持っています。

教育課程

本校は全日制課程の普通科を設置しており、特色として単位制を採用しています。進学を重視した教育が行われており、生徒一人ひとりの興味・関心や将来の進路目標に合わせた学習ができるよう、柔軟なカリキュラムが組まれています。

普通科（単位制・進学重視型）
1年次では基礎をしっかりと固め、2年次からは希望進路に応じて大きく理系と文系のコースに分かれます。
さらに3年次からは、より具体的な進路に対応するため、各コースが細分化されます。
理系
理系I類: 主に理学部、工学部、教育学部（理系科目）、農学部、水産学部といった分野への進学を目指す生徒に適しています。
理系II類: 看護学部や生活系の学部などへの進学を希望する生徒を対象としています。
理系III類: 医学部、歯学部、薬学部といった高度な専門分野への進学を目指す生徒のための課程です。
文系
文系I類: 人文学部や教育学部（文系科目）など、人文科学分野への進学を目指す生徒に適しています。
文系II類: 法学部や経済学部といった社会科学分野への進学を希望する生徒を対象としています。
文系III類: 芸術学部や体育学部など、特色ある分野への進学を目指す生徒のための課程です。

このような多段階の類型指導により、生徒は自身の目標に合わせて専門的な学びを深めることが可能です。

沿革

学校の歴史は以下のような変遷を経てきました。

1986年（昭和61年）
3月：同年4月の開校に先立ち、諫早高等学校との間で総合選抜試験（通称「諫早二校」）が開始されました。
4月1日：長崎県立西陵高等学校として正式に開校しました。
1994年（平成6年）4月：長崎市古賀町にあった諫早農業高等学校の東長崎分校が本校に移管されました。
1995年3月：総合選抜制度の一部見直しが行われました。受験生が直接本校を選択できる仕組みとして、応用文科コースと応用数理コースがそれぞれ1学級設置されました。また、推薦入試もこの年から始まりました。
2002年3月：この年の入試をもって、総合選抜制度が廃止されました。これが本校における最後の総合選抜試験となりました。
2003年
3月：総合選抜の廃止に伴い、各高校が単独で入試を行う単独選抜方式に移行しました。これにより、一般入試で面接試験が導入されました。また、かつて設置されていた応用文科コースと応用数理コースは廃止されました。
4月：教育課程が単位制へと改められました。合わせて、学期制が従来の3学期制から2学期制に変更されました。
2007年3月：移管されていた東長崎分校が閉校しました。

校訓・教育理念

本校の教育の柱は、以下の「三綱」と「三領」に集約される校訓です。

三綱: 「自律」「進取」「友愛」
三領: 「ゆたかに（徳）」「さとく（智）」「すこやかに（体）」

これらの校訓は、生徒たちが自ら考え行動し、新しいことに積極的に挑戦し、互いに助け合いながら、豊かな人間性、知性、そして健やかな身体を育むことを奨励しています。

象徴物

校章: 学校のシンボルマークは、校樹であるイチョウの葉をモチーフに図案化されています。中央には高等学校を示す「高」の文字が配されています（俗字体の「はしご高」が使用されています）。
校歌: 校歌は、俳人であり元長崎県高等学校教諭でもあった森大鈴氏が作詞、松岡貴史氏が作曲を手掛けました。全3番構成で、歌詞の中には校樹のイチョウや、校訓に含まれる「進取」「友愛」といった言葉が盛り込まれています。

学校生活

本校は2学期制を採用しており、年間を通して様々な学校行事が行われます。主な行事としては、始業式、入学式、考査（定期試験）、高校総体（高総体）、生徒総会、校内球技大会、平和学習（長崎原爆の日）、文化祭、体育祭、修学旅行（高校2年次の関東方面）、マラソン大会、卒業式、卒業生を送る会などがあります。また、生徒の学習意欲を高めるための「SR学習体験」なども実施されています。

制服は男女ともにブレザーを着用し、ネクタイを締めます。制服のボタンは、元美術科教諭で画家の加野尚志氏によってデザインされたもので、「西陵 (SEIRYO)」の頭文字であるSとRを組み合わせた独特の意匠となっています。

部活動も盛んに行われており、運動部、文化部ともに生徒たちは日々の練習や活動に励んでいます。

アクセス

本校へのアクセスは以下の通りです。

最寄りの駅: JR九州喜々津駅から徒歩約15分です。
最寄りのバス停: 長崎県営バスの「西陵高校バス停」（学校発着便やスクールバス）が便利です。また、一般路線バスを利用する場合は、「西陵高校入口バス停」または「喜々津通りバス停」で下車し、いずれも徒歩約10分程度です。
最寄りの国道・県道: 国道34号線からは、長崎市方面から来る場合は久山（くやま）交差点を右折、諫早市中心部からは左折して学校方面へ向かいます。長崎県道138号田結久山線も近くを通っています。

周辺環境

学校の周辺には、長崎県立希望が丘高等特別支援学校をはじめ、西諫早幼稚園、多良見保育園などの教育・保育施設があります。また、長崎原爆諫早病院や慈恵病院といった医療機関も立地しています。

著名な出身者

各界で活躍されている卒業生を多数輩出しています。

池田賢生（柔道家）
渡辺航（漫画家）
草場道輝（漫画家）
赤坂俊輔（競艇選手）
釜元豪（プロ野球選手）
南野やじ（お笑いタレント）
* 松田小百合（タレント）

以上が、長崎県立西陵高等学校の概要です。

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