長崎県立長崎鶴洋高等学校

長崎県立長崎鶴洋高等学校 概要

長崎県立長崎鶴洋高等学校（ながさきけんりつ ながさきかくようこうとうがっこう）は、長崎県長崎市末石町に所在する県立高等学校です。海洋に関する専門教育を主軸としながらも、総合学科を併設し、幅広い分野の学習機会を提供しています。長崎県内において、水産に関する専門学科を有する唯一の高等学校として、長い歴史と伝統を誇ります。

歴史と沿革

本校の歴史は、明治41年（1908年）に北松浦郡平戸町（現在の平戸市）に開設された「長崎県水産講習所」に始まります。その後、明治44年（1911年）に長崎市へ移転。昭和10年（1935年）には実業学校である「長崎県水産学校」へと改組されました。戦後の学制改革を経て、昭和23年（1948年）には「長崎県立長崎水産高等学校」として新たなスタートを切りました。当初は水産に関する学科のみを有する実業高等学校でしたが、平成18年（2006年）の県立高等学校改革において、総合学科が新設されるとともに、現在の「長崎県立長崎鶴洋高等学校」へと校名が改称されました。この間、学科の設置・改編や実習船の更新、施設の拡充などを経て、時代と共に教育内容を変化させてきました。昭和58年（1983年）には実習船長水丸、平成5年（1993年）には第4代となる実習船長水丸が竣工。特に水産教育の分野では、早くから各種海技士養成施設の認定を受けるなど、専門性の高い教育を行っています。平成30年（2018年）には創立110周年を迎え、その歴史と伝統を祝いました。

課程・学科

本校には全日制課程が設置されており、以下の2つの学科で構成されています。

水産科: 海洋に関する専門知識と技術を習得する学科です。現在は海洋経営、食品・調理、機関・機械、電気・通信の4つの類型があります。令和2年度（2020年度）からは、海技士類型（航海・機関）と管理類型（情報通信・コンサルティング・進学）の2類型5分野へと再編される予定です。
総合学科: 将来の進路希望に応じて幅広い科目を学ぶことができる学科です。現在は普通総合、ビジネス、機械の3系列があります。こちらも令和2年度（2020年度）からは、進学、機械、情報ビジネスの3系列へと再編される予定です。総合学科では、生徒の多様な興味や関心に応じた学びを深められるよう、資格取得も積極的に奨励しています。

校訓・キャッチコピー・校章・校歌・スクールカラー

校訓: 「誠実・明朗・勤勉」
キャッチコピー: 「未来を拓く!」
校章: 水を図案化した星形の外枠に、長い伝統と更なる飛躍への願いを込めた純白の鶴、そして中央に高校を示すゴールドの「高」の文字が配されています。
スクールカラー: ネイビーブルー
校歌: 作詞は平田德男氏、作曲は岡山直氏、編曲は瀬戸口仁志氏によるもので、3番まであります。歌詞の中には、学校名の由来にもなった「鶴の港」（長崎港の古称）や、歴史上の人物である「龍馬」が登場するなど、長崎の歴史や文化に根差した内容となっています。

学校行事

年間を通じて、体験航海（5月）やマグロ延縄実習（7月）、インターンシップ（7月）など、学科の特色を活かした多様な行事が行われます。体育祭（9月）は赤・青・緑の3色対抗で行われ、水産高校ならではの手旗を用いた応援など、独自の伝統が見られます。その他、文化祭（9月）なども実施されています。

姉妹校交流

本校は韓国全羅南道莞島郡にある莞島水産高校と姉妹校協定を締結しています。平成8年（1996年）から交流が始まり、平成19年（2007年）に正式に姉妹校となりました。ほぼ毎年、生徒や教職員が相互に訪問し合い、国際交流を深めています。

施設

臨海実習場: 長崎市為石町に位置し、水産科の実習などで利用されます。平成28年（2016年）には水槽棟が完成しました。
実習船: 現在、長崎・福岡・山口の3県水産高校が共同運航する実習船「海友丸」を使用しています。この船は総トン数698トン、全長67.74m、最大搭載人員90名で、マグロ延縄実習や沿岸トロール実習、体験航海などに活用されています。平成22年（2010年）に竣工しました。過去には「長水丸」が実習船として活躍し、引退後も海洋調査船として利用されています。
寄宿寮: 「拓洋寮」があります。平成23年（2011年）の東日本大震災発生時には、被災した学校単位の生徒・教職員を受け入れる際の居住場所としても検討されました。
* その他、運動部、文化部それぞれ活動できる施設があります。

著名な卒業生

本校からは、魚類学者の山田梅芳氏、ラグビー選手の吉田伸介氏、プロボウラーの原口優馬氏など、様々な分野で活躍する人材を輩出しています。

アクセス

長崎市中心部（長崎駅方面）からは、長崎バスを利用するのが一般的です。ココウォーク茂里町から30番鶴洋高校経由の「深堀」・「香焼恵里」・「伊王島ターミナル」行きのバスに乗車し、「鶴洋高前」バス停で下車します。所要時間は約40分です。朝の登校時間帯には、長崎バスによるスクールバスも運行されています。自家用車の場合は、国道499号を南下し、江川交差点で右折、長崎県道29号香焼江川線沿いに学校があります。周辺には長崎市役所三和行政センターなどがあります。

県外志願者受け入れ

本校では、身元保証人を置くことを条件に、定員の5％以内で県外からの志願者を受け入れています。身元保証人は原則として県内在住者ですが、水産に関する学科を持たない府県からの志願者に限り、県外在住の保証人でも認められる場合があります。

長崎県立長崎鶴洋高等学校は、伝統ある水産教育と、時代のニーズに応える総合学科の学びを通して、生徒たちがそれぞれの「未来を拓く」ための支援を行っています。

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