長広郡

長広郡は、中国にかつて存在した地方行政区画であり、晋代から隋代初期にかけて、現在の山東省青島市と煙台市にまたがる地域に設置されていました。

歴史

長広郡は、西晋時代の277年（咸寧3年）に、斉郡の東部を分割して設置されました。郡の行政中心地である郡治は、長広県に置かれました。当時の長広郡は青州に属し、不其県、長広県、挺県の3県を管轄していました。

南北朝時代の南朝宋においては、長広郡は不其県、長広県、昌陽県、挺県の4県を管轄するようになりました。管轄する県の数が増加した背景には、社会情勢の変化や行政区画の再編があったと考えられます。

北魏時代には、長広郡の管轄範囲はさらに拡大し、昌陽県、長広県、不其県、挺県に加え、即墨県と当利県を合わせた6県を管轄するようになりました。これにより、長広郡はより広範な地域を統治する重要な行政単位としての役割を担いました。

しかし、隋が中国を統一し、中央集権化を進める中で、地方行政制度の見直しが行われました。583年（開皇3年）に隋が郡制を廃止したことに伴い、長広郡もその歴史に幕を閉じ、光州に編入されることとなりました。

長広郡は、その存在期間を通じて、地域の政治、経済、文化に影響を与えました。郡の設置、管轄範囲の変遷、そして廃止は、中国の地方行政制度の変遷を反映するものであり、その歴史を理解することは、当時の社会情勢や政治構造を知る上で重要な意味を持ちます。

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