長月 (初代神風型駆逐艦)

駆逐艦 長月 (初代)

概要

大日本帝国海軍において、神風型駆逐艦（初代）の28番艦として建造されたのが駆逐艦「長月」（ながつき）です。艦齢を重ねた後に掃海艇へと類別変更され、その生涯を終えました。同じ「長月」という名称を持つ艦が睦月型駆逐艦にも存在するため、区別のために「長月 (初代)」や「長月I」と表記されることが一般的です。

艦歴

「長月」の建造計画は順調に進められました。1905年9月27日、製造番号28号として正式に命名され、翌月の10月28日には神奈川県にある浦賀船渠で起工されました。船体が完成し、水面に浮かべられたのは1906年12月15日。同月26日には駆逐艦として正式な艦種に類別されました。そして、1907年7月31日をもって全ての工事が完了し、竣工、大日本帝国海軍に就役しました。

就役後、第一次世界大戦が勃発すると、「長月」は遠く南方のシンガポール方面に派遣され、この地域における警備任務に従事しました。当時の国際情勢下において、重要な航路や拠点の安全確保に貢献したと考えられます。

大戦終結後、艦艇の用途見直しや近代化が進む中、「長月」もその影響を受けます。1924年12月1日、それまでの駆逐艦としての役割を終え、掃海艇へと類別が変更されました。これは、機雷除去などの新たな任務に対応するための措置でした。

さらに時が経ち、1928年8月1日には、当時最新鋭の駆逐艦であった睦月型において、新たに建造された艦が「長月」と命名されました。これに伴い、既に掃海艇として活動していた「長月」は、重複を避けるために「第十一号掃海艇」と改称されることになりました。

その後も掃海艇として運用されたものの、艦齢も重ねたことから退役への道を進みます。1930年6月1日、海軍籍から除かれ、除籍されました。この際、仮称として「廃駆逐艦第11号（2代目）」と一時的に呼ばれました。除籍から約1ヶ月後の7月2日には正式に廃船とされ、艦としての物理的な存在は終了しました。最終的には、船体は1931年5月28日に売却され、その役目を完全に終えました。

歴代艦長/掃海艇長

「長月」には、多くの指揮官が着任しました。以下に歴代の駆逐艦長および掃海艇長を示します。

駆逐艦長

(兼)河合 退蔵 大尉：1907年6月5日 - 7月1日
河合 退蔵 大尉：1907年7月1日 - 9月3日
水谷 耕喜 大尉：1907年9月3日 - 9月28日
山崎 正策 大尉：1907年9月28日 - 1908年6月23日
伊東 真三郎 大尉：1908年6月23日 - 1909年2月20日
山本 節介 大尉：1909年2月20日 - 10月1日
柘植 道二 大尉：1909年10月1日 - 1911年12月1日
松浦 四郎 大尉：1911年12月1日 - 1912年12月1日
松本 謙之助 大尉：1912年12月1日 - 不詳
北川 保橘 少佐：不詳 - 1916年12月1日
村田 章一 大尉：1916年12月1日 - 1917年12月1日
松岡 弘人 大尉：1917年12月1日 - 1918年3月12日
角田 貞雄 大尉：1918年3月12日 - 1919年4月1日
本田 源三 大尉：1919年4月1日 - 1921年3月9日
伊藤 長 大尉：1921年3月9日 - 1922年11月1日
直塚 八郎 大尉：1922年11月10日 - 1923年12月1日
高橋 一松 大尉：1923年12月1日 - 1924年12月1日

掃海艇長

高橋 一松 大尉：1924年12月1日 - 1925年12月1日
杉本 道雄 大尉：1925年12月1日 - 1926年10月15日
高橋 棐 大尉：1926年10月15日 - 1928年12月10日
佐藤 康夫 大尉：1928年12月10日 - 1929年5月10日
上田 光治 大尉：1929年5月10日 - 1930年1月20日

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