長水山城

長水山城（ちょうずいさんじょう）

長水山城は、兵庫県宍粟市にある標高584メートルの長水山に位置する山城です。また、広瀬城とも呼ばれています。南北朝時代に播磨守護であった赤松則祐によって、文和年間（1352年から1356年）に築かれました。後には、赤松則祐の四男である広瀬師頼が城を継承し、広瀬氏の祖として知られるようになりました。

広瀬氏の支配は4代にわたりましたが、1441年に発生した嘉吉の乱を経て、宇野氏が城主となります。宇野氏は5代にわたってこの城を支配し、ここを本拠地として長水山城をさらに拡張しました。しかし、1580年には羽柴秀吉の軍に攻め込まれ、長水城は落城してしまいます。城主であった宇野祐清は美作へ逃れようとしましたが、追撃を受けて討ち取られました。

城跡の特徴

長水山城の城跡は山全体に広がっています。山頂に位置する本丸は、最高所に設けられており、その周囲の尾根に沿って南北に二の丸、さらに南の尾根の端に三の丸が配置されています。本丸の主郭部には石垣が築かれており、今日でも曲輪、石垣、土塁、堀切などの遺構がしっかりと残っています。

真徳寺の存在

本丸跡の石垣の上には、2017年の時点で日蓮宗の真徳寺が存在します。この寺は宇野氏の家臣の子孫である渡邉日妙尼によって1934年に建立されました。渡邉は長水山での合戦で亡くなった人々の英霊を慰霊するようにとのお告げを受けて、寺の建設を決めたと言われています。地元住民の協力も得ながら建立が進められ、2代目の住職も女性でした。1982年からは渡邉の孫が3代目の住職をつとめています。

真徳寺には檀家がなく、祈祷や他の寺的な支援で生計を立てています。寺内には電気が通じていますが、水道は設備されておらず、雨水を浄化して使用しています。食料品やガスは街で調達し、背負って戻るという生活をされています。湯は薪を用いて沸かし、雪の多い日には街に降りることも難しくなるそうです。

所在地とアクセス

長水山城の所在地は兵庫県宍粟市山崎町五十波1063です。登山道は大手口からアクセスでき、伊水小学校の裏手に小公園があり、この公園の奥から登城道に入ることができます。登山は約1時間で可能です。その他にも2つの登山道があります。

公共の交通機関を利用する場合は、JR山陽本線の姫路駅から神姫バスの山崎行に乗ると、約1時間でアクセスできます。自動車を利用する場合は、中国自動車道の山崎インターチェンジから国道29号線を経由して兵庫県道429号線を進むと良いでしょう。

長水山はまた別名「ヒル山」とも呼ばれる歴史的な名所で、多くの人々に親しまれています。

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