長沢宏行

長沢宏行氏は、1953年4月26日生まれ、兵庫県出身のスポーツ指導者です。野球とソフトボールの両分野で指導経験を持ち、また保健体育教諭としての顔も持ち合わせています。

高校時代

長沢氏は、西宮市立西宮高等学校に在籍し、野球部では4番打者、そして主将としてチームを牽引しました。特筆すべきは、全国高等学校野球選手権大会（夏の甲子園）において、各学校のプラカードを持ち先導する役割を務めたことです。これは、同校が甲子園球場に近接していることから選ばれた特別な役目でした。

大学時代とソフトボール指導

高校卒業後、長沢氏は首都大学野球連盟に所属する日本体育大学に進学しました。大学卒業後は、女子ソフトボール指導者としての道を歩み始め、夙川学院高等学校で指導にあたりました。

さらに、1996年アトランタオリンピックでは、女子ソフトボール日本代表のヘッドコーチを務め、国際舞台での指導経験も積みました。

高校野球指導者としての転身

2003年、長沢氏は鹿児島県の神村学園高等部に赴任し、野球部監督に就任。2005年春の選抜高等学校野球大会では、野上亮磨選手らを擁し、初出場ながら準優勝という快挙を成し遂げました。

その後、岡山県の環太平洋大学野球部監督を経て、2010年からは系列校である創志学園高等学校の野球部監督に就任しました。創志学園では、学校・野球部創立からわずか1年で2011年春の選抜高等学校野球大会に初出場。創部1年での甲子園出場は、全国的にも異例の快挙でした。

2022年、長沢氏は夏の大会をもって創志学園野球部監督を退任。後任には、東海大学付属相模高等学校の前監督で、全国優勝経験のある門馬敬治氏が就任しました。長沢監督最後の夏は、岡山県大会で優勝を果たし、第104回全国高等学校野球選手権大会に出場しましたが、1回戦で敗退しました。しかし、長沢氏は野球への情熱は衰えておらず、他チームからのオファーがあれば指導を続ける意向を示しています。

現在

2022年10月1日、長沢氏は父の出身地であり、自身の先祖の記録が室町時代から残る兵庫県丹波篠山市の県立篠山産業高校野球部の監督に就任しました。この就任にあたり、丹波篠山市は「スポーツ振興官」という役職を新設し、長沢氏が非常勤の特別職として就任。2026年3月までの契約期間で、スポーツ振興全般に取り組むこととなりました。

著名な教え子

長沢氏の指導を受けた選手の中には、プロ野球で活躍する選手も多くいます。

神村学園高: 野上亮磨、尾中博俊（大学においても指導）
環太平洋大: 亀澤恭平、又吉克樹、松本直晃
* 創志学園高: 奥浪鏡、髙田萌生、難波侑平、湯井飛鳥、石原貴規、西純矢、草加勝

長沢宏行氏は、その豊富な指導経験と情熱で、多くの選手を育成し、高校野球界に大きな影響を与えた人物として、今後もその動向が注目されます。

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