長沼駅 (静岡県)

長沼駅の概要

静岡県静岡市葵区長沼一丁目に位置する長沼駅（ながぬまえき）は、静岡鉄道の静岡清水線に属し、駅番号はS06です。駅の北側には長沼工場をはじめ、様々な施設が併設されており、鉄道ファンや地域住民にとって重要な交通の拠点となっています。

歴史

長沼駅は、1908年（明治41年）12月9日に開業しました。1953年（昭和28年）には、長沼駅の構内に車両基地である長沼車庫が完成しました。この基地は、以前の鷹匠町から移転したもので、運行の効率化とともに静鉄グループの発展を支えてきました。

駅構造

長沼駅は地上駅として、島式ホーム1面2線と単式ホーム1面1線の計3線を持っています。また、駅の北側には長沼工場の検車庫と留置線があり、運行上重要な役割を果たしています。特に、1番線は主に車両の停泊や、駅始発の区間運転に使用され、急行列車が通過する際の待避も行える仕様となっています。このような運用は、近年のダイヤ改正で初めて試されました。

長沼車庫の歴史

長沼駅の北側には「長沼車庫」があり、かつては自社で車両を製造していたため「長沼工場」とも呼ばれていました。戦時中、スペースが不足して鷹匠町車庫を移設し、湿地帯を埋め立てて車両基地を設けました。戦後、その土地に存在していた木造の大砲格納庫を移築して車庫として利用するようになりました。

この工場では、静岡清水線用の木造車両の改造や新造が行われ、1958年から1968年にかけて複数の形式の電車も製造されました。現在では、貴重な電動貨車デワ1が保管されており、特別なイベント時にその姿を公開しています。

利用状況

静岡市の統計によれば、2019年度の長沼駅の一日平均乗車人員は約1,312人、降車人員は1,221人でした。この数値から、長沼駅は静岡清水線全15駅中で10番目の利用状況となっています。

駅周辺の施設

駅周辺には、かつての日東紡静岡工場の跡地があり、現在はバンダイホビーセンターや静岡県立科学技術高等学校などが建っています。また、周囲には東静岡駅（JR東海東海道本線、徒歩約7分）や愛宕霊園、溝口病院、静岡県コンベンションアーツセンターであるグランシップ、MARK IS静岡など、地域に貢献する多彩な施設があります。

イベント

長沼駅は毎年夏に「しずてつ電車まつり」というイベントが行われており、そこでは長沼車庫も会場となって来場者に鉄道の魅力を伝えています。更に、近隣のグランシップでのトレインフェスタと連携し、車庫の公開も行っています。

まとめ

長沼駅は、静岡鉄道の重要なターミナル駅としての役割を果たすと同時に、地域活動やイベントも盛んに行われているスポットです。鉄道ファンだけでなく、地元の人々にも親しまれ、日常的な交通手段として利用され続けています。

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