長田百合子

長田百合子について

長田百合子（おさだ ゆりこ）は、岐阜県出身の教育評論家です。1954年3月30日生まれで、非行や引きこもりといった現代社会における教育問題の解決に尽力しています。特に、当事者やその家族に対して、時に厳しい口調で叱咤激励する姿がメディアで注目を集めてきました。

教育活動と事業

愛知県内に複数の補習塾を構える「塾教育学院」を経営し、メンタルケア部門の代表と学習塾部門の取締役を兼任しています。また、愛知県教育委員会の「愛知の教育を考える懇談会」委員や、教師研修機関「埼玉師範塾」の特別講師、NPO法人「家庭教育再生機構」の理事長、一般社団法人「日本家庭教育再生機構」の理事長を歴任するなど、教育分野で多岐にわたる活動を展開しています。

「メンタルケア」という言葉

長田氏は、2001年出版の著書『親がかわれば子どももかわる』の中で、「メンタルケア」という言葉は自身の造語であると述べています。この言葉は、1997年の著書『親なら親らしく』で頻繁に使われ、編集者から意味を問われた際に、「カウンセリングとは異なる印象を与えたかった」と説明したとされています。当時の毎日新聞社の調査で、この言葉が実在しないことが確認され、長田氏の造語として認知されました。

メディア出演

長田氏は、CBCテレビの夕方ニュースを皮切りに、フジテレビ、日本テレビ、テレビ朝日など、主要なテレビ局の夕方ニュース番組に5年以上にわたりレギュラー出演していました。また、「朝まで生テレビ」にも多数出演し、教育問題について活発な議論を展開しました。近年では、2011年に「笑っていいとも」や「爆笑問題の大変よくできました!」といったバラエティ番組にも出演しています。教育関係者からの依頼による講演活動も積極的に行っています。

引きこもり支援からの転換

2017年まで、引きこもり者を対象にした「長田寮」を運営していましたが、現在は閉鎖し、関連事業からは撤退しています。その後、子育てを終えた女性たちとバイオリン楽団「すくすく合奏団」を結成し、児童養護施設などで演奏会を開催するなど、新たな活動に力を入れています。

略歴

1966年4月 - 萩原町立萩原南中学校入学。
1969年4月 - 岐阜県立益田高等学校（現：益田清風高等学校 萩原校舎）入学。
1970年秋 - 後の夫（同級生）と出会う。
1972年4月 - マックスファクターの教育部に就職。
1972年12月 - 依願退職。
1974年 - 財団法人学習塾の営業部に再就職。
1974年 - 結婚。
1976年 - 上記財団倒産。
1977年3月27日 - 長男誕生。
1977年 - 塾教育センター設立。同時に不登校児のカウンセリング開始。
1983年 - 夫と共に塾教育学院を設立。
1985年 - 次男誕生。
1986年 - 講演活動、執筆活動を開始。
1998年 - 学習塾部門の生徒募集で2年間雇用していた実妹・杉浦昌子と決別。
1999年 - 不登校児更生施設長田寮設立。
1999年 - NPO家庭教育再生機構 理事長就任。
2002年 - 愛知県教育委員会「愛知県教育を考える懇談会」と「愛知県子供の心を考える会」の委員に任命される。
2002年 - 塾教育学院 学習塾部門 メンタルケア部門代表取締役就任。
2006年9月 - 埼玉師範塾特別講師に就任。
2009年 - 一般社団法人日本家庭教育再生機構理事長に就任。

長田塾裁判

「長田寮」の元寮生から損害賠償を請求された裁判では、名古屋地方裁判所は長田氏の行為を「自身の社会的評価を高めるためのもの」と非難し、NHKの撮影に便宜を図ったり、指導員が男性をこづいたりした行為を違法と認定しました。しかし、損害賠償請求権の時効が成立しているとして訴えは棄却されました。その後、控訴審では名古屋高等裁判所が長田氏の行為の違法性を改めて認定し、一審判決を変更して100万円の賠償を命じました。

著書

長田氏は、教育や子育てに関する多数の著書を執筆しています。

『母さんの元気が出る本』（学書、1994年）
『親なら親らしく!―不登校・いじめ・非行におびえないために』（毎日新聞社、1997年）
『本音でぶつかれ! 不登校、ひきこもり、非行で悩む家族へ』（中日新聞社、1999年）
『子供なんかにナメられたらアカン!』（毎日新聞社、2000年）
『親がかわれば、子どももかわる―イジメ・不登校・ひきこもりの現場から』（講談社、2001年）
『お母さんの親ごころ お父さんの底ぢから』（新潮社、2003年）
『母さんの元気が出る本』（新潮文庫、2003年）
『イジメ・不登校・ひきこもりと親はどう向き合うか―子ども問題を解決する「長田式10の智恵」』（大和書房、2003年）
『極悪ヤンキー麻衣 地獄から生還』（講談社、2004年）
『親なら親らしく!』（新潮文庫、2004年）
『母さんの元気が出る本〈2〉』（学書、2005年）
『愛があるから真っ向勝負 もう悩んでいるヒマはない』（MOKU出版、2005年）
『子ども問題撃退マニュアル』（MOKU出版、2007年）
『子どもを壊す親たち』（ワック・マガジンズ、2010年）

主なテレビ出演

NNN Newsリアルタイム（日本テレビ）− 1999年〜2009年
スーパーニュース（フジテレビ）− 2001年〜2006年
スーパーJチャンネル（テレビ朝日）− 2002年〜2006年
朝まで生テレビ!（テレビ朝日）− 2003年7月～2005年11月まで多数出演
笑っていいとも（フジテレビ）− 2011年3月
爆笑問題の大変よくできました!（テレビ東京）− 2011年7月

連載

毎日新聞
中日新聞
中部経済新聞
岐阜新聞
MOKU出版社「りんご白書」
TOSS「教室ツーウェイ」
日本教育文化研究所「教育創造」

関連項目

親学推進協会 - 特別委員を務める。
引き出し屋 - フリースクール

外部リンク

長田百合子オフィシャルサイト


長田百合子は、教育現場での実践経験と、メディアを通じた発信を通じて、現代の教育問題に深く関わり続けています。

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