長福寿寺

長福寿寺

長福寿寺は、千葉県長生郡長南町に位置する天台宗の寺院です。その山号は「三途河頭 極楽東門 蓮華台上 阿弥陀坊 太平埜山 本実成院」と称し、上総国薬師如来霊場の第19番札所としても知られています。

歴史

寺伝によれば、長福寿寺は798年（延暦17年）に桓武天皇の勅願を受け、伝教大師最澄によって創建されたと伝えられています。中世には、西の比叡山に対して「東叡山」と称されるほどの規模を誇り、天台宗の重要な談義所（檀林）として、その名を馳せました。房総三国における天台宗の大本山として、308もの末寺を統括する大寺院であり、その影響力は絶大でした。

特に、梶井門跡（三千院、京都）や毘沙門堂（京都）の門主が当山の住職を務めたこともあり、その縁から「三途河頭極楽東門蓮華台上阿弥陀坊太平埜山本実成院長福寿寺」という勅号を賜ったとされています。この勅号は、寺の格式の高さを物語るものです。

1571年（元亀2年）には、織田信長による比叡山焼き討ちの際、当時の第17代学頭・豪山僧正が比叡山に木材を寄進し、この材木が根本中堂の再建に用いられました。さらに、徳川家光の援助のもと現在の根本中堂が造営された際、解体された材木を用いて長福寿寺の本堂が建てられ、その縁から本堂は「根本中堂」の号を許されています。このことから、両寺院の深い関わりが窺えます。

江戸時代には、江戸幕府の将軍から寺領50石が寄進され、10万石の格式を与えられたと伝えられています。年頭の礼には、将軍に謁見する御城書院独礼席の待遇を受けており、その格式の高さが伺えます。

文化財

長福寿寺には、数々の文化財が保存されています。

木造慈恵大師坐像: 千葉県指定有形文化財に指定されており、慈恵大師の姿を伝える貴重な仏像です。
木造阿弥陀如来坐像: 長南町指定有形文化財に指定されており、阿弥陀如来の穏やかな表情が印象的な仏像です。
禁制文書（附 制札）: 長南町指定有形文化財に指定されており、江戸時代の寺院運営や地域の歴史を知る上で重要な資料です。

交通アクセス

長福寿寺へのアクセスは以下の通りです。

高速道路: 最寄りのインターチェンジは、首都圏中央連絡自動車道（圏央道）の茂原長南インターチェンジです。
バス:
HMC東京（長南行き）愛宕町バス停から徒歩3分
小湊鉄道（長南営業所・牛久駅・鶴舞駅・循環器病センター行き）愛宕町バス停から徒歩3分
東京駅八重洲口前、横浜駅・羽田空港から高速バス「長南駐車場」下車

外部リンク

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