長老派教会

長老派教会について

長老派教会（ちょうろうはきょうかい／Presbyterianism）は、キリスト教のプロテスタントの一部で、カルヴァン派に属する教派です。主に「長老教会」や「プレスビテリアン」として知られ、信仰の特徴や教会制度でユニークな存在感を発揮しています。長い歴史を持ち、特に16世紀から17世紀にかけての宗教改革において影響力を及ぼしました。

概要

長老派教会は、スイスの宗教改革活動から発展しました。スイスのチューリヒでツヴィングリ派による改革を経て、ジュネーヴでカルヴァン派との合同が実現し、カルヴァンが提唱した長老制度が根付いていきました。カルヴァンは、教会を指導する役割（監督、長老、牧師）の区別を単に聖書に基づくものであると述べ、その思想が後の長老派の教会運営に影響を与えました。

歴史的には、特にスコットランドでのジョン・ノックスの働きが重要です。ノックスは、長老制がジュネーヴからではなく、聖書の教えに根ざしたものであると強調しました。1567年にスコットランドの国教となり、その後も多くの改革派教会と連携を持ちながら、信仰告白の整備が進められました。

歴史

長老派教会の誕生は、聖書の記述から来ています。新約聖書の「使徒行伝」において、各教会を指導する「長老」の存在が言及されており、また教父たちの記録にも長老職と司教職の統一性が指摘されています。これらの記録は、教会の初期の運営方法と信仰の基盤を形成しました。

ジョン・ノックスは16世紀にスコットランド宗教改革を導き、彼の業績により、信仰告白としての「スコットランド信条」がその後の長老派教会の基盤となります。ノックスは、教会におけるキリストの唯一の頭であることを明言し、教会の権威を聖書に帰属させました。

スコットランドにおける宗教改革の過程では、多くの教会が長老制を取り入れるようになり、1560年にはスコットランド議会がノックスが提唱した教えを採択しました。これを受け、その後のイングランドやアイルランドへと長老派の思想は広がり、徐々に教派として定着していきました。

グローバルな展開

長老派の信仰は、北米やアジア各国にも影響を与えました。アメリカでは、フランシス・マケミーが「アメリカ長老派の父」と称され、アメリカ独自のリバイバル運動がキリスト教の発展に寄与しました。また、インドやアルメニア、韓国にも長老派教会が形成されています。

韓国では、長老教会が主流の宗派となり、強い伝道活動を展開しています。日本においても、長老派教会は1872年に日本基督公会を通じて樹立されましたが、近年はさまざまな経路での分派が見られます。とはいえ、長老派の信仰が確固とした基盤を持つ教団としての存在を保っていることは間違いありません。

まとめ

長老派教会は、キリスト教プロテスタントの中でも特にカルヴァン派の思想に基づく教派として、独自の教会運営や信仰のあり方を持っています。厳格な教義と強い歴史的背景を持つ長老派教会は、今後もその影響力を広げ続けるでしょう。

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