長興島 (上海市)

長興島について

長興島は中国上海市の崇明区に属する長江の河口に位置する中州島で、広さは76.3平方キロメートルと広大です。この島には約5万人の住民が住んでいます（2009年時点）。長興島は崇明島と上海浦東の間に位置しており、それぞれとは上海長江トンネルや上海長江大橋を通じて結ばれています。さらに、島の東側には横沙島という小さな中州があります。

歴史的背景

長興島の形成は明の崇禎十七年（1644年）に始まり、この地域に砂州が現れました。以降、土砂が堆積することで次第に島々が形成されていきました。清の道光二十二年（1842年）には瑞豊沙、潘家沙、鴨窩沙などの島が次々と現れ、光緒六年（1880年）には石頭沙や円円沙も形成されました。さらに民国時代の1927年には金帯沙が誕生し、これらの島々は1960年代から1970年代にかけての堤防整備事業によって統合され、現在の長興島の形となりました。

住民の定住と産業の発展

住民がこの島に入居し始めたのは清の道光二十四年（1844年）であり、鴨窩沙において干拓や水田の造成が行われました。本格的な開発は中華民国時代に入ってから進み、初期の産業は淡水漁業と葦の収穫が中心でした。その後、農地の開墾が進み、農村が発展するようになりました。島の生活様式は近隣の崇明島や横沙島と類似していましたが、川に囲まれた立地から交通の便が悪く、独特の文化や方言が生まれる要因となりました。

近現代の変遷

中華人民共和国が成立してからは、浦東地区の漁民が移住し、農業に従事する新しい農民が台頭しました。この地域は当初、宝山県の管理下にありましたが、2005年には崇明区に移管されました。

2005年からは中国最大の造船所、長興造船基地の建設が始まりました。この基地は2008年に国有企業である中国船舶工業集団に移転し、軍用船および民間船の製造を開始しました。2009年には滬陝高速道路が一部開通し、長江の南北が陸路で繋がるようになりました。これにより、長興島の交通アクセスが大きく改善されました。

まとめ

長興島は歴史的には自然に形成された地域から、住民の入居を経て農村が栄えるようになり、近年では造船業の発展により経済的にも重要な地域へと変貌しました。文化的にも独特な風土を持ち続ける長興島は、今後の発展にも注目が集まっています。

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