長良川鉄道ナガラ500形気動車

長良川鉄道ナガラ500形気動車概要

長良川鉄道が運行するナガラ500形気動車は、2007年から2009年にかけて3両が製造されました。この気動車は、開業時から使用されていたナガラ1形の車両を置き換える目的で導入されました。ナガラ500形は、両運転台の仕様を持ち、前面が貫通式のデザインが特徴です。各車両は16.5メートルの長さで、トイレは設置されておらず、車内はロングシートで構成されています。

車両のデザインと特徴

ナガラ500形の最初の2両は、ナガラ3形に似たエンジ色を基調とした塗装が施されています。一方、3番目の車両は白を基にしたデザインで、沿線の自然景観に調和するよう橙色と青色を使用しています。

車体構造

ナガラ500形の車体は、ナガラ3形を基本にしながら若干長くなっている点が特徴的です。乗務員室は左隅に設置され、客用扉は両側に引き戸として配置されています。これにより、乗客は後から乗り、前へ降りることが可能になっています。また、眺望を考慮して窓は大型化され、固定式の構造が採用されています。

走行装置

ナガラ500形の車両は、日産ディーゼル製のPF6HT03ディーゼルエンジンを搭載しており、電子ガバナによる制御がなされています。動力は、日立ニコトランスミッション製の液体変速機を介して台車に伝わります。前位の台車は2軸駆動の動台車が使用され、後位側は付随台車となっています。制動装置には直通ブレーキが採用され、非常ブレーキは電気指令式となっています。

快適な車内環境

車内の暖房はエンジンの排熱を利用した温風式で、冷房装置も装備されています。冷房は27.9kWの能力を持っており、快適な車内環境を提供しています。また、車輪スペースも広がり、車椅子利用者に配慮した設計がなされています。

観光列車としての利用

2016年から運行されている観光列車「ながら」には、ナガラ500形が改造され、観光客に特別な体験を提供しています。「川風号」として改造された車両は、水戸岡鋭治氏のデザインによって、独自の外観が施されています。この観光列車は、さまざまなプランを通じて、新しい魅力を提供することに成功しています。

ラッピング列車の運行

ナガラ500形の一部の車両では、作り上げられたキャラクターや生き物のイラストなど、テーマ別のラッピングが施されて運行されています。具体的には、さくらももこ氏によって描かれたキャラクターや、アニメ『チャギントン』のラッピングが行われています。また、2023年には、新たに長良川の鮎をテーマにしたラッピングへと変更されました。

運用の歴史

ナガラ500形は、2007年から2009年にかけて売り出され、最終製造となったナガラ503号は2010年に営業運転を開始しました。この新車の投入により、古いナガラ1形はほぼ全て廃車され、長良川鉄道の運行において新たな役割を果たしています。ナガラ502号は観光列車へと改造されてからも一般列車として使用され、多様な運用が可能です。

このように、ナガラ500形気動車は、地域の交通手段としてだけでなく、観光列車としても貢献しており、長良川鉄道の魅力を広げています。

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