長谷川典夫

長谷川典夫（はせがわ のりお）

長谷川典夫は、日本の地理学者であり、自然地理学や人文地理学に広範囲にわたる研究を行った。1929年に青森県で生まれ、彼は1953年に東北大学理学部地理学科を卒業した。1962年には、論文博士として「土地利用の立地の地理学的研究」により、理学博士の学位を取得した。長谷川は、東北大学や宮城教育大学、三重大学、専修大学で教壇に立ち、その教育活動を通じて数多くの学生に地理学への理解を深めさせる役割を果たした。

長谷川は、1992年に三重大学人文学部教授を退職し、特に専修大学文学部教授として新たな一歩を踏み出した。また、三重大学からは名誉教授の称号が授与され、長いキャリアの中で多くの業績を累積した。彼は、著書『流通地域論』（1984年）において、システム概念を地域論に導入するなど、地理学界に新たな視点をもたらした。

2013年1月27日、長谷川は83歳でこの世を去った。彼の死後、2月22日に従四位瑞宝小綬章が追贈され、その業績が評価されたことを示すものであった。彼の死は、日本の地理学界にとって大きな損失であった。

長谷川賞

長谷川の業績を称える形で、東北地理学会は「東北地理学会研究奨励賞（長谷川賞）」を設立した。この賞は、将来の地理学研究者を育成することを目的としており、長谷川の喜寿を記念する行事を実施した実行委員会が寄付金をもとに設けたものである。若手研究者への支援が行われることで、彼の地理学に対する情熱が引き継がれることを期待されている。

主な著作

長谷川の著作には、以下のようなものがある：
1. 『流通と地域』（1983年、大明堂）
2. 『流通地域論』（1984年、大明堂）
3. 『地誌学研究 : 地誌作成法とその実例』（1994年、大明堂）

これらの著書を通じて、長谷川は専門分野だけでなく、地域社会における流通の重要性についても広く知らしめた。彼の研究は、地理学の新たな進展に貢献し、多くの研究者に影響を与え続けている。彼の業績は、後進の研究者たちにとっても貴重な参考資料であり、今後も多くの人々に受け継がれていくであろう。

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