長谷部広子

長谷部広子の業績と人生

長谷部広子（はせべ ひろこ、1898年7月22日 - 1977年6月18日）は、日本の教育家として知られる一方、政治の舞台でも活躍した人物です。彼女は愛知県名古屋市に生まれ、様々な教育機関で教鞭を取る一方、1953年には無所属で参議院議員として初当選しました。

幼少期と教育

名古屋市で、父親の親弘のもとに生まれた長谷部は、愛知県第一高等女学校を卒業した後、1921年に東京女子高等師範学校家事科を修了しました。卒業後は三重県立飯南高等女学校や名古屋市立第一高等女学校で教員としてキャリアを積み、その後、椙山女子専門学校の教授に就任しました。教育に対する情熱が強まる中、長谷部は一貫して女子教育の推進を図りました。

政治家としての活動

1950年には愛知県教育委員に任命され、教育施策に関与する中で、1953年の参議院議員選挙に出馬します。この選挙では、革新統一候補として名古屋市の著名な女性たちの支援を受け、愛知県選挙区から無所属で当選を果たしました。議員としての任期中は、教育関連の議題に力を入れ、特に「公職選挙法の一部を改正する法律案」を市川房枝と共に提出し、連座制強化を実現しました。

議員退任後の活動

長谷部は「教育に専念したい」という理由から第5回通常選挙には出馬せず、参議院議員を1期のみ務めました。その後は椙山女学園大学の教授として、後進の指導に力量を注ぎ、地域社会における女性団体の活動にも積極的に関与しました。また、名古屋市婦人団体連絡協議会の副会長や、愛知県地方労働基準審議会の委員など、多岐にわたる役職を歴任しました。

評価と叙勲

彼女の教育や政治への貢献は高く評価され、1968年には叙勲を受けて勲三等宝冠章を授与されました。その後も、日中友好協会の常任理事、名古屋市明るく正しい選挙推進協議会副会長といった役割を担い、社会活動にも尽力しました。

最期の時

1977年6月18日、長谷部広子は78歳でこの世を去りました。彼女の死後、正五位に叙されたことからも、彼女がその生涯を通じて多くの人々に影響を与えたことが伺えます。教育者としての情熱、政治家としての行動力、そして地域社会への貢献を忘れない人々によって、長谷部広子の業績は今でも語り継がれています。

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