長谷部竹腰建築事務所

長谷部竹腰建築事務所について

長谷部竹腰建築事務所（はせべたけこしけんちくじむしょ）は、日本の建築設計監督を主な業務とする企業であり、現在の日建設計の源流とされています。この事務所は1933年に創立され、建築業界において数多くの重要なプロジェクトを手掛けてきました。

設立の背景

1933年5月、住友合資会社はその工作部を廃止することを決定しました。この直後、工作部の部長である長谷部鋭吉と建築課長である竹腰健造は、当時の工作部員27名とともに退職し、独立した建築事務所を設立することになりました。彼らは工作部の解散に対して不安を感じており、部員たちがばらばらになることを避けるため、住友合資会社を離れ、新たな事務所を立ち上げることを決意しました。

会社設立の過程

住友合資会社への働きかけを経て、長谷部ら29人は住友銀行船場支店の4階で新会社の準備を始めました。そして6月には「株式会社長谷部竹腰建築事務所」が創立されました。それにあたり、事務所は資本金10万円として、初期段階では住友合資会社が5万円を出資しました。経営が厳しくなった場合には再度5万円を追加出資する条件も設けられ、株式総数2000株のうち600株が長谷部と竹腰に振り分けられました。長谷部と竹腰は共に常務取締役としての役割を担い、その後、他の役員も選任されました。

初期の事業展開

設立当初、長谷部竹腰建築事務所は特に溶接に関する鉄骨構造体の設計に注力しました。1940年以降は満州に進出し、満州建築事務所を併設しました。彼らの事務所は1943年までに300人近い所員を誇るまでになりましたが、1944年には住友合資会社に合流しました。

戦後の動向

戦後、竹腰は公職追放の憂き目に遭いましたが、1949年には聖心女子大学の建築顧問に就任しました。一方で長谷部は日建設計工務の発足時に顧問の役割を果たしました。

代表的な作品

長谷部竹腰建築事務所は、多くの著名な建築物を手掛けました。代表作としては、大阪証券取引所旧市場館（1935年）、日本生命保険本社（1939年から実施）、旧住友銀行神戸支店、住友銀行京都支店（1938年）などがあり、いずれもその時代の建築技術とデザインを反映した重要な作品です。

このように、長谷部竹腰建築事務所は日本の建築界における歴史的な存在であり、数多くの業績によって今日に至るまで影響を与え続けています。

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