長連頼

長連頼の生涯

長連頼（ちょう つらより）は、江戸時代初期の加賀藩における著名な家老です。彼は1604年に、前田家の家臣である長連龍の次男として誕生しました。母は朝倉義景の家臣の娘であり、彼の家系には、歴史的な背景が強く影響しています。長連頼がその家督を継承することになったのは、父の死去以降の元和5年（1619年）のことでした。それまでには兄も亡くなっていたため、長連頼は家の当主としての責任を担うこととなりました。彼が継いだのは、能登鹿島半郡を含む3万3千石の領地で、これは織田信長から父が受領した地域でもありました。

鹿島半郡の検地騒動

長連頼の時代には、鹿島半郡内において在地の家臣である浦野孫右衛門信里と金沢にいる加藤采女との間で激しい対立が発生しました。浦野は新田開発を行っており、その私有が噂となり検地が行われることになりました。しかし、加藤采女の思惑だと疑った浦野派は、検地反対の声明を提出し、これにより一時的に検地は中断されました。9月には部分的に検地が実施されましたが、浦野は連頼の息子である元連と共謀し、他の有力農民を扇動して反対活動を行いました。

これを受けて、連頼は単独では対処できないと判断し、寛文7年（1667年）には重臣たちに書面を提出しました。藩主である前田綱紀は、この騒動を機に鹿島半郡を直接統治しようと介入します。そして、浦野一派は逮捕され、その首謀者は切腹という厳罰に処されました。この事件は「浦野事件」として知られ、長家の内部でも問題が発生し、連頼の息子元連は剃髪の上、蟄居を余儀なくされました。

連頼の厳しい選択は、結果的には彼の家に重い影を落とすこととなりました。この騒動の後、彼の子どもは新たな制約のもとに置かれ、諸役員に関して藩の承認を得なくてはならないという条件がつけられました。

その後の生活

連頼は寛文11年（1671年）に63歳でこの世を去り、田鶴浜の東嶺寺に埋葬されました。彼の戒名は乾徳院鉄山良剛老居士です。彼の死後、孫の尚連が当主となりましたが、前田綱紀は、その地を奪い、石高に見合った米を与えることに決定しました。この行為により、長家の特権は完全に失われることとなりました。

長家は以後も家老として存続しながら、時代の変化を乗り越え、高連や善連、連愛、連弘などといった後の当主が加わり、幕末までその地位を保ち続けることが出来ました。長連頼の人生は、江戸時代の加賀藩における込み入った政治的な葛藤を反映しており、彼の存命中の出来事は、後の長家の運命にも大きな影響を与えました。

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