長野ハル

長野ハル（ながの はる）は、1925年4月26日に東京都で生まれた女性で、日本のプロボクシング界において、マネージャーとして重要な役割を果たした人物です。2025年1月1日に老衰のため99歳で亡くなりました。

長野は、1948年に実践女学校を卒業後、第二次世界大戦後の厳しい就職状況の中、帝拳ジムに就職しました。当時、ジムがボクシング関連の会社であることを知らなかったと言います。入社後、日本プロボクシング協会初代会長でもあった本田明の秘書を務めました。

1965年7月3日、本田明が64歳で亡くなると、後継者として遺言で指名された次男の明彦は当時17歳と若く、協会は彼の会長就任を認めませんでした。そこで長野は、本田明の未亡人である本田ハルを名目上の会長とし、数年後に明彦を会長に就任させるという策を講じました。長野は本田ハルと同姓同名ですが、これは偶然の一致であり、両者に親戚関係はありません。明彦が会長に就任した後も、長野が実質的な経営者として帝拳ジムを運営しました。

長野は70年以上にわたり、帝拳ジムのマネージャーとして、小坂照男、大場政夫、浜田剛史、西岡利晃、粟生隆寛など、多くの名ボクサーを育成しました。また、大阪帝拳所属の辰吉丈一郎の世界戦や、マイク・タイソンの日本での防衛戦など、数々のビッグマッチを手がけ、プロボクシング界に大きく貢献しました。

ボクシング関係者との親戚・縁戚関係はなく、自身にボクシング経験はありませんでしたが、その手腕は高く評価されています。彼女の帝拳ジムでの活躍は、沢木耕太郎のノンフィクション作品「一瞬の夏」にも描かれています。

長野の父は東京帝国大学法学部を卒業し、高等文官試験に合格後、裁判官を経て弁護士として活躍した人物です。

長野ハルは、日本のプロボクシング界において、その名前を知らない者はいないほどの影響力を持った人物でした。彼女の情熱と才能が、数多くのボクサーを育て、日本のプロボクシングを大きく発展させたことは間違いありません。

[外部リンク]
83歳を迎える長野ハルさんへの敬意 佐藤彰雄／スポーツEYE - スポニチBlog 2008年4月23日

もう一度検索